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ATOK for Windows Mobileの実力を検証
2008年9月30日、ジャストシステムから、定評ある日本語入力プログラムATOKのWindows Mobile版「ATOK for Windows Mobile」が発売される。ベータ版を入手できたので、本サイトでは、そのインストール手順や機能、留意点などを紹介しよう。なお、本稿の内容はベータ版での検証結果に基づくものなので、製品版とは細部が異なる場合がある点には注意してほしい。
これまで、ジャストシステムでは、ATOK for Pocket PCを発売していたが、2003年の発売で対応OSがPocket PC、Pocket PC 2002、Pocket PC 2003ということからもわかるように、かなり古いままだった。ATOK for Pocket PCは、昨今のWindows Mobile端末にはそのままではインストールさえできず、ちょっとした手順を必要とした。それが、とうとうWindows Mobileに正式対応したATOKが発売されることになったのだ。 インストールはCABファイルの展開で行うCD-ROMからインストールする場合、パソコンのCD-ROMドライブにCD-ROMを入れると、ATOKのマニュアルが起動する。パソコン上の操作で「ATOKPWM.CAB」ファイルを、W-ZERO3やWILLCOM 03にコピーする。 ATOKPWMをインストール
インストールは、W-ZERO3やWILLCOM 03などのWindows Mobileデバイスでファイルエクスプローラなどを起動し、「ATOKPWM」をダブルタップすることで実行する。 利用規約に同意する
画面の「同意する」をタップして、利用規約に同意しインストールを継続する。 本体の再起動
インストールが終了すると、再起動を促す画面になるので、「はい」をタップする。 ATOK for Windows Mobileによる文字入力ATOK for Windows Mobileでは、文字を入力すると、画面下段に単語などの候補が表示される。使いたい文字列があった場合、カーソルキーで選択して確定すれば、長い文字列を入力する手間を省くことができる。一度入力した文字は、確定すれば、学習機能によって、その後は2文字入れると候補に表示されるようになる。また、英字の場合、全角なのか半角なのかはわかりにくいものだが、ATOK for Windows Mobileでは、候補に [半] などの補助の区別が表示されるの、混乱することがない。 ATOKの日本語入力
画面下段に候補が表示される(ただし、設定による)。半角ローマ字なども半角であることがわかるように [半] と記号が添付されて表示される。 Advanced W-ZERO3[es]のATOK
こちらは、Advanced W-ZERO3[es]のATOKに搭載されているATOK。画面の設定などかなり異なっていることがわかる。 変換は、「Space/変換」キーで行う。画面の下に候補が表示された状態であれば、カーソルキーで変換候補の選択を移動できる。Advanced W-ZERO3[es]にバンドルされたATOKなどとは異なり、きちんとカーソルキーの方へカーソルが移動するようになっている。 推測変換に対応しているので、変換候補は、1文字入力しただけで画面下部に表示される。単語を選択すれば自動的に確定し、続きの文言の候補が表示される。簡単な文なら、最初に数文字入力すれば、あとは候補を選択していくだけで、作文することも可能だ。 変換効率はさすがという感じだ。長期間使用したわけではないが、さほどストレスは感じずに変換・入力ができた。確定後の予測変換もよくできていると評価していいだろう。ただし、パソコン用のATOKは、誤変換を自動的に補正してくれたりするが(例えば「タッチ」と入力するつもりで「tattti」と入力しても「タッチ」として入力される、など)、ATOK for Windows Mobileにはそういった機能はないようだ。 また、簡単な英単語に限るが、「モバイル」などとカタカナを入力すると、英単語に変換してくれる機能もある。 候補の中の英字
「もばいる」と入力すると、「mobile」が候補の中にある(もーびるでも同様)。簡単な英単語であれば、つづりを調べる必要がない。 ATOK for Windows Mobileの設定文字入力中でもCtrl+Kキーでメニューが表示され「単語登録」やプロパティ、辞書ユーティリティの起動などが可能だ。 ATOKメニューの表示
Ctrl+Kを押せば「ATOKメニュー」が表示される。単語登録やプロパティの変更などが可能。 「ATOKプロパティ」画面のの「入力・変換」タブでは、変換後に確定した文字のうち、どの文字の種類を候補に追加するかを設定することができる。例えば、筆者の場合、半角カタカナは利用しないので候補には入れていない。 「入力・変換」タブ
後変換候補の追加をどの種類の文字で行うかを設定できる。また、候補ウィンドウに [半] などの記号を追加する設定もここだ。 「推測変換」タブ
推測変換のオン/オフが可能。横画面、縦画面で設定を変えることもできる。 「学習」タブ
辞書学習をするかしないかを選択できる。学習データのリセットは、間違って確定してしまい、変換候補におかしな文字列が単語が出てくるようになってからでいいだろう。ここから、登録単語の編集画面へいくこともできる。 「辞書」タブ
拡張辞書を追加して設定することができる。 「ATOKメニュー」で利用できる「単語登録」は、単語、読み、品詞を設定する一般的なものだ。 「単語登録」画面
オーソドックスなタイプの単語登録。品詞はその後の文章効率にも影響してくるので、正確に登録した方がいいだろう。スペースなども含めて単語登録できるのが便利。 「登録単語の編集」をタップするか、メニューより「辞書ユーティリティ」を選択すると、これまでに辞書登録された単語が、「読み」「単語」「品詞」の順に表示される。単語を選択後、「編集」をタップすれば、登録した単語の削除も可能だ。 ATOK 辞書ユーティリティ
単語登録された文字の削除や、パソコン用のATOKやジャストシステムなどが提供する辞書のインストールなどが可能だ。 ATOKの便利な機能マニュアルに記載されているが、「きょう」と入力・変換すると、今日の日付が、「いま」または「じこく」と入力・変換すると現在の時刻が入力される。ほかにも「おとつい(おととい)」、「きのう」「あした」「あさって」「おととし」「きょねん」「ことし」「らいねん」「さらいねん」などによって年月日の入力が可能だ。 日付や時間の入力
文字を変換することで、簡単に今日の日付や現在時刻などを入力できる。 ATOK for Windows Mobileをインストールすると、入力パネルに新たに文字一覧パネルと定型文パネルが追加される。文字一覧パネルでは、読みがわからない1文字や記号を入力する時などに使用する。定型文パネルでは、定型文を簡単に入力できる。定型文を編集したり、新たな定型文を追加することも可能だ。 文字一覧パネル
文字を見ながら、1文字ずつ入力することができる。難しい漢字などで変換では入力できない場合などに有効だ。 定型文パネル
あらかじめ入力しておいた頻繁に利用する定型文を便利に入力することができる。 なお、ATOK for Windows Mobileでは、長文などを入力した後で変換し、間違いがないので確定しようとした場合、パソコン用のATOKの設定とは異なり、Enterを押しただけでは文節の最初が確定されるだけだ。全文を確定するためにはCtrl+Mを押す必要がある。 また、確定直後でカーソルキーを移動していない場合などは、Ctrl+BSを押せば未確定状態に戻すことができる(これはWindows MobileのMS-IMEも同様)。再度、全文を確定するには、再びCtrl+Mを押す必要がある。マニュアルには文節の区切りの仕方など、実用上必要なコマンドが紹介されているので一読したほうがいいだろう。基本的には、前述した文字入力後の変換操作のコマンドを除けばパソコン同様だ。 AI変換エンジンに対応した辞書を搭載しており、最新の地名や駅名、芸能人名・流行語などのトレンド語の変換や、カタカナ語から英語への変換にも対応している。拡張辞書として単漢字辞書を、補助辞書として文例辞書も搭載している。 知っておきたい制限・留意点ATOK for Windows Mobileではいくつかの制限がある。まず、すでにATOKをプリインストールしているAdvanced W-ZERO3[es]のような機種では利用できないことになっている。無理にCABファイルをダブルタップしてインストールしようとしても、「ATOKは使用中のため導入できません。 [ATOK設定]で「日本語入力にATOKを使用する」のチェックをはずし、OKボタンを押して下さい。」とメッセージが表示される。 指示に従って設定画面でチェックを外して試したところ、Advanced W-ZERO3[es]では、インストールは可能だった。ちょっと動作を試した程度では特に問題もない感じだったが、ジャストシステムはサポートしていないので、自己責任で行うしかないだろう。 使用中のためインストールできない
Advanced W-ZERO3[es]では、ATOKをオフにすればインストール可能。サポート外のため、自己責任での利用となる。 ATOK for Windows Mobileを削除する場合は、通常の「設定」→「システム」タブ→「プログラムの削除」から可能だった。削除してからデバイスをリセットすれば、従来のバンドルされたATOKが利用できる。もちろん、長期間使用したわけではないので、どういった不具合があるかはわからない。 また、テンキーからの入力では利用できない。ATOK for Windows Mobileをキー入力で使用する場合は、必ずフルキーボードからの利用となる。縦画面でATOKの入力をする場合は、ソフトウェアキーボードを使うしかない。これは、各機種ごとにテンキーのキーアサインが異なっているため、やむを得ないことのようだ。なお、無理にインストールしたAdvanced W-ZERO3[es]にインストールした場合は、テンキーでの入力も可能だった。 W-ZERO3シリーズの対応予定機種は、9月20日現在、W-ZERO3(WS003SH、WS004SH)、WILLCOM 03となっている。もちろん、対応機種以外での利用は自己責任となるので注意しよう。 さらにCtrlキーを使ったアサインがパソコンとは異なっている。これはベータ版ゆえなのかと思ったが、PDFのマニュアルにも記載されているので、製品版でもそうなるということだろう。ATOK for Windows Mobileでは、
という対応になっている(パソコン版では、Ctrl+Uが「ひらがな」、Ctrl+Iが「全角カタカナ」、Ctrl+Oが「半角カタカナ」、Ctrl+Pが「全角英字」の大文字と小文字のトグルとなっている)。 誰のためのATOK?ATOK for Windows Mobileには、細かな制限も意外に多いが、実際に使ってみるととても快適だ。ただし、有料でもあるので、どういったユーザーに向いているのかは、案外難しい。また、W-ZERO3[es]、Advanced/W-ZERO3[es]が対応機種ではないとなると、なかなか導入に踏み切れないユーザーも多そうだ。ATOK for Windows Mobileは優れた日本語入力プログラムだが、制限の多さゆえに、ユーザー数の確保には苦労するかも知れない気がする。筆者はもうないと、がまんできなくなってしまったけれど。
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posted by yam
on 2008/09/28 23:38
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