W-ZERO3[es]でBluetooth GPSを活用する
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Windows Mobileデバイスの楽しみのひとつに、GPSが利用できるという点が挙げられる。携帯電話でもGPS機能を利用できる機種はあるが、なにしろ液晶の大きさ、表示できる範囲が違っている。W-ZERO3[es]は半透過型の液晶ディスプレイだが、実際に試した範囲内では晴天下でも輝度を最大に明るくすれば、まったく不満なく視認が可能だった。
W-ZERO3[es]でもGPSが利用できるようになった!
W-ZERO3[es]の登場で個人的にとても楽しみにしていたことは、これでようやくW-ZERO3でもGPSが使えるかもしれないということだった。筆者はGPS好きで、Pocket PCの多くの機種でCFカードタイプのGPSカードを使ってGPSを実用で、あるいは楽しみとして使ってきた。W-ZERO3はとてもよくできた機種だが、決定的に不満だったのは、GPSを利用することが非常に難しかったということだ(不可能ではないが、あまり現実的ではない。miniSDカード拡張カードを利用して、SDカードタイプのBluetoothアダプタを取り付け、さらにBluetooth機能を装備したGPSユニットを使う必要がある)。
それが、W-ZERO3[es]が登場し、USB OTG機能によって周辺機器が使えることでGPSが利用できる可能性が広がった。その方法には、USBタイプのGPSユニットを利用するやり方以外にも、BluetoothユニットをUSBホストにつなげ、さらにBluetooth GPSユニットを接続するというやり方がある。
ここでは、2006年9月下旬の時点で可能な方法を具体的に紹介する。ウィルコムから純正のBluetoothユニットが発売されていないため、やや回りくどく、多少の手間を必要とするが、やむを得ない。さらに対応の地図ソフトウェアでもGPSの地図として利用するためには、それなりの工夫が必要だ。本記事は周辺機器やソフトウェアの紹介というよりも、現状でのGPS利用のノウハウと思っていただいたほうがいいだろう。ウィルコムのBluetoothユニットなどが発売された時点で、また異なった方法になるんじゃないかと思う。
また、Bluetooth GPS以外にも、筆者は試してはいないがUSB接続タイプのGPSユニット「コメットUSB/3」なども利用可能だ。
検証に利用した環境
筆者が使ったシステム。Bluetoothユニットは、すでに旧型のGW-BH03U
だ。
必要な周辺機器とソフトウェアは以下の通りとなる。
- W-ZERO3 [es]
- Bluetooth GPSユニット:電波法に違反しない技適マークが付いているものは数少ない。
- Bluetooth USBアダプタ:筆者らが試した範囲内では利用可能なものも多いが、一部利用できないデバイスもネット上では報告されているようだ。
- USBホストケーブル
- 地図ソフトウェア:SuperMapple Digital Ver.7などが必要だ。
W-ZERO3 [es]でBluetoothを使えるようにする
まずは、W-ZERO3[es]でBluetoothアダプタを使えるように環境を整える必要がある。W-ZERO3[es]のUSB OTG機能に関しては、本サイトでは「無限の可能性を手に入れた! USBホスト機能によって広がる拡張性!/W-ZERO3 [es] 最新レビュー -その5(新機能 USB On The Go)」にまとめている。Bluetoothの利用方法は、本誌のライターでもあるKzou氏が自身のブログで書かれた「W-ZERO3[es]でBluetoothの封印を解く方法(連携コンテンツ)に詳しい。ここを読んで理解できないとか難しいと感じたら、素直にウィルコムのBluetoothユニットの発売を待ったほうがいいだろう。
それでは、具体的な方法を紹介していこう。
ただし、本記事で紹介している内容を試した結果、どういう事態に陥ったとしても、いかなる意味でなんら責任を負うことはできない。以下の作業は自己責任で行っていただきたい。
まず、「スタート」メニュー→「設定」→「接続」タブに、「Bluetooth」を追加する必要がある。Windows Mobile 5では本来、設定自体はあるようだが、W-ZERO3[es]では表示されていないので、ユーティリティソフトウェアを使ってレジストリを変更し、表示可能にする必要がある。これを実現するユーティリティソフトウェアは随分増えた。ここでは定番の「Pocket の手 for W-ZERO3 Ver.1.80β2 ( [es] 対応版 )」や「HiramezTweak」などで、Bluetoothを表示可能にしよう。
Bluetoothを設定画面に追加
Pocket の手 for W-ZERO3の「コントロールパネル」タブで、「Bluetooth」にチェックを入れる。
「接続」画面の確認
「設定」→「接続」タブでBluetoothアイコンが表示されていれば成功だ。
HiramezTweakというフリーウェアを利用しても、比較的簡単にW-ZERO3[es]でBluetoothの設定画面を表示させることができるようになる。HiramezTweakを動作させるためには、「.NET Compact Framework 2.0」をインストールしておく必要がある。.NET Compact Framework 2.0は、最初はパソコン経由でないとインストールできないので、あらかじめダウンロードして、インストールを済ませておこう。
.NET Compact Framework 2.0のインストールを終えたら、HiramezTweakをダウンロードして解凍し、W-ZERO3[es]にインストールしよう。インストール先は本体でもminiSDカードでもいいようだ。ファイルエクスプローラや「GSFinder+ for Universal」などで「HiramezTweak.exe」を起動し、「設定」タブの「Bluetooth」チェックボックスにチェックを入れよう。その後、HiramezTweakを「OK」ボタンで終了させ、ソフトリセットする。「スタート」メニュー→「設定」→「接続」タブの画面にBluetoothアイコンが出ていれば成功だ。
HiramezTweakでBluetoothを表示させる
「設定」タブで「Bluetooth表示」チェックボックスにチェックを入れる。
「接続」画面の確認
「設定」→「接続」タブでBluetoothアイコンが表示されていれば成功だ。
GPSユニットを使えるようにする。
今回は、シーエフ・カンパニー(株)より適技マークを受けたBluetooth GPSユニット「HI-406BT-C」をお借りして試用することができた。HI-406BT-Cはコンパス機能を搭載しているが、W-ZERO3[es]のようなWindows Mobileデバイスで利用する場合は、あまり意味がない。徒歩で楽しみたいといったユーザーは、価格が安い下位機種の「HI-406BT」で十分だろう。
- HI-406BT/HI-406BT-C
- http://www.cfcompany.co.jp/product/haicom/hi406btc.html
まずは、このGPSユニットを充電する必要がある。充電を開始するとダイオードの片側が茶色に光り、片側が青く光る。充電が完了すればダイオードは消灯するのですぐにわかる。数時間以上かかると思うので、寝る前に放っておくといった充電方法が手軽で実用的だろう。
充電が終了したら、ダイオードは点滅していないはずだ。向かって左のスイッチを下に下げてみよう。右のダイオードが青く光り、左のダイオードが黄緑に光ったら成功だ。
地図ソフトウェア「Pocket Mapple Digital Ver.7」をインストールする
次に、購入した「Super Mapple Digital Ver.7」をパソコンにインストールし、さらに続けて「Pocket Mapple Digital Ver.7」をインストールする必要がある。Super Mapple Digitalは、2006年8月8日に「Super Mapple Digital Ver.7 サービスパック 1」が公開されているので適用しておこう。
- Pocket Mapple Digital Ver.7
- http://www.mapple.net/smd/
- Super Mapple Digital Ver.7 サービスパック 1
- http://www.mapple.net/smd/support/v7support/SP1_1/smd7SP1_1.html
サービスパック1を適用する以前のSuper Mapple Digital Ver.7では、Windows Mobile 5用のPocket Mappleをインストールしてしまうと、接続ポートを選択できなかったり、地図の位置を認識させるのにテクニックが必要だったりしたが、適用後はそういった不具合にはきちんと対処されているようだ。
Pocket Mapple DigitalをW-ZERO3 [es]にインストールするには、パソコンの「スタート」メニュー→「すべてのプログラム」→「昭文社 Super Mapple Digital Ver.7」→「Pocket Mapple Digitalをインストール」を選択する。下の画面のようなメニューが表示されるので、「デバイス種別」を「Windows Mobile 5」、インストール方法を選択してインストールする。住所データベース、鉄道駅データベースもインストールしておこう。
地図のインストールは、Super Mapple Digitalを起動して行う必要がある。「ファイル」メニューから「Pocket Mapple Digital 地図出力」を選ぼう。デフォルトの「ベクトル地図の出力 (Windows Mobile 5.0以降用)が選択されているのを確認して、「次へ」をクリックする。初回は、「新規に地図をインストール」がチェックされていることを確認し「次へ」をクリックする。
ここで、「地図画面でマウスでドラッグした範囲から地図をインストール」するか「市町村を選択して地図をインストール」するかを選ぶ。ここでは「地図画面でマウスでドラッグした範囲から地図をインストール」を選んでみた。
なお、最初のバージョンとは異なり、地図のインストール先は、miniSDカードのルートに「Shoubunsha」フォルダとして作成される。
GPSユニットをBluetooth接続で利用可能にする
BluetoothアダプタをUSBホストケーブルに接続し、W-ZERO3[es]に接続しよう。次に「設定」→「接続」→「Bluetooth」を選ぶ。なかなかBluetoothが認識できない時は、一度W-ZERO3[es]の電源を落として再度入れてみるといい。それでもダメな場合は、ソフトウェアリセットしてみよう。
続けて、「モード」で「Bluetooth をオンにする」チェックボックスをオンにする。「デバイス」タブをタップし、次に「新しいパートナーシップ」をタップする。Bluetoothユニットが表示されるので、名称をタップした後に「次へ」をタップする。パスキーの入力を求められるので、ここでは「0000」を入力する。「シリアルポート」にチェックを入れた後で、「完了」をタップする。
「COM ポート」タブをタップし、「新しい発信ポート」をタップする。追加するデバイスで「HI-406BT」がハイライトしているのを確認してから、「次へ」をタップする。「ポート」をここでは、「COM6」にして、「完了」をタップする。
Bluetooth設定画面に戻るので「ok」をタップして設定を終了する。
Bluetoothの設定画面を表示
「設定」→「接続」タブでBluetoothをタップすると、「モード」タブになる。「Bluetooth をオンにする」チェックボックスをチェックする。
「デバイス」画面
「デバイス」タブをタップし、「新しいパートナーシップ」をタップする。
デバイスを選択
近くにあるBluetoothデバイスがすべて検索される。ここでは、「HI-406BT」を軽く一度タップしハイライトさせ、次に、「次へ」をタップする。
パスキーの入力
パスキーを入力する(ここでは、0000)。「次へ」をタップする。
パートナーシップの設定
「シリアルポート」をチェックし、「完了」をタップする。
「新しい発信ポート」を選択
「COM ポート」タブをタップし、「新しい発信ポート」をタップする。
デバイスの追加
「HI-406BT」がハイライトされているので、「次へ」をタップする。
ポートの選択
「ポート」をここでは、「COM6」にする。「完了」をタップして設定を終了する。
追加したポートの確認
「Bluetooth」の「COM ポート」タブに、「HI-406BT (COM6)が新しく表示されている。
Pocket Mapple Digitalを起動して地図を選ぶ
次に、W-ZERO3[es]でPocket Mapple Digitalを起動して、地図を選ぶ必要がある。「地図」メニューから、「地図を開く」を選択しよう。インストールしてある地図がすべて表示されるので、表示したい地図を選ぶ。miniSDカードに入った地図は、アイコンの下に赤い記号がついているので区別することができる。
地図が表示されると、おそらく全体の中央部分が表示されているはずだ。
「地図」メニューより「GPS位置取得」をチェックする。「接続ポート」を先ほど選んだ「COM6」に変更して、「実行」を選ぶ。
GPS補足に成功すると、画面右上に「GPSを利用補足」と赤いマスで表示され、中央部に円と回転する三角形が表示される。また、GPSユニットは、右上の青いダイオードが点滅からずっと点灯に変更される。
Pocket Mapple Digitalを起動
「地図」メニューの「地図を開く」を選択する。
利用する地図を選択
今回はminiSDカードに入った地図を選ぶことにする。
「GPS位置取得」画面
「地図」メニュー→「GPS位置取得」を選択し、機種を「NMEA WGS-84 Datum タイプ」に変更し、「接続ポート」を先ほど変更したCOM6に変更する。変更を終えたら「実行」をタップ。
使用中のHI-406BTとW-ZERO3[es]
GPSユニットはこんなに小さい。青く点灯するので、使用中の状況がわかりやすい。
外で使っている様子
筆者はこういった感じで片手でもって使った。ケーブルの取り回しは面倒なので、GPSユニットはショルダーバッグの外側の網袋に突っ込んでおく場合が多かった。
USBホストコネクタを利用すると取り回しは便利になる
W-ZERO3[es] USBホストケーブルの持ちにくさ、見苦しさを解消するL字型USBホストコネクタ/ポケットUSBホストアダプタ W-ZERO3 [es]で紹介したUSBホストコネクタを利用すれば、取り回しは改善されるだろう。
液晶画面の見やすさ
晴天下で液晶を拡大してみた。実際の視認性は、写真よりも肉眼の方が見やすい。写真では影の部分以外は白く光って判然としないが、肉眼では影以外の部分も十分に確認することができる。ただし、輝度は最大にしてあるので、外付けバッテリまたはバッテリの予備は必要かもしれない。
現在位置を確認
手軽に位置確認などもできるのがGPSのよいところだ。携帯電話のGPSほどの手軽さや機能はないが、広い画面なのが何よりも魅力だ。
Pocket Mapple Digitalの「WILLCOM通信カードで位置を取得」機能を利用する
Pocket Mapple Digital Ver.7では、ウィルコムの位置情報を使って、現在位置を取得することができる。「地図」メニューから、「GPS位置取得」を選び「WILLCOM 通信カードで位置を取得」を選べばいいだけだ。
この方法だと、ある程度の誤差はあるが、他の周辺機器も必要とせずおおよその位置を確認することができる。ただし、都心だったらともかく、PHS基地局が少ないところでは精度は落ちるので注意が必要だ。また、ログを記録するといったことも当然できない。しかし、都心などでは、意外に精度が高く結構実用的でもあるので、GPSユニットを揃えるといった大げさなことをしたくないというユーザーには、便利なことも多いだろう。
位置情報は即座に取得可能だが、位置取得ができない場合もある。そういった場合は、何度か試せばできる場合が多かった。
「WILLCOM 通信カードで位置を取得」を実行
Pocket Mapplet Digital Ver.7 サービスパック 1以降では、ウィルコムの回線の基地局を使った位置情報を得ることが可能になった。数秒で認識でき、都心では結構正確だ。中央にマークなどが示されることはない。
すばらしき位置情報世界
W-ZERO3[es]でのGPS利用は、別途Bluetoothアダプタが必要なうえ、GPSユニット自体が決して安価ではないため、万人におすすめできるわけではない。しかし一方で、GPSや地図が好きという人が利用するといった側面はどうしてもあると思う。
シーエフ・カンパニー(株)が発売開始したHI-406BT-Cを今回、試用させていただいたが、非常にコンパクトで持ち運び、取り回しは楽だ。筆者も個人的に購入して快適に利用している。ストラップになる紐がついているので、鞄などにひっかけてしまうといった使い方が便利かもしれない。この他にも方法がありえないわけではないが、日本ではBluetooth GPSの利用も技適認証を受けたもの以外は、その所持や販売はともかく、使用した場合、電波法に違反することも忘れてはならない。
HI-406BT-Cは、本記事のために使った限りでは、一般的なGPSと同様の精度で、特に不満はない。ロストする場合も多かったが、偽波にひっかかりにくいということでもあると思う。バッテリは、USBを使った充電だがかなり持つようだ。朝から晩まで使った程度では空になることはなかった(カタログスペックでは9時間のようだ)。
Pocket Mapple DigitalはWindows Mobileでは定評のある地図ソフトウェアだが、ウィルコムの位置情報に対応したことで使い勝手がさらに向上した。GPSを利用するためには、紹介したように別途USBホストケーブルにBluetoothドングルをつなげ、さらにGPSが必要となるから、それなりに大げさな装備となる。しかし、ソフト単体でもとりあえず大まかな位置は知ることができるので、人によっては適した使い道はあるだろう。
ただし、地図は2.8インチのW-ZERO3 [es]のディスプレイでは、老眼になってしまった筆者にはややつらい場合もあった。
Bluetooth GPSを利用する場合は、W-ZERO3[es]本体のバッテリがもたなくなるので、予備バッテリか外部バッテリも用意しておくのがいいだろう。










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ガイドブック](/ad/w-zero3.jpg)

