【無線LAN】W-ZERO3[es]で高速インターネットを利用する/IMSW-822(IBS Japan)
以前のW-ZERO3に比べてW-ZERO3[es]で残念な点は、無線LANを利用できなくなったことだろう。そこで、この点を解消するために今回紹介したいのが周辺機器の「IMSW-822」だ。IMSW-822はminiSDカードスロットに装着するタイプのWiFiカード。これさえあれば、自宅や外の無線LANを利用してW-ZERO3[es]でも高速インターネットを楽しめるようになる。
W-ZERO3[es]で無線LANを利用するならほぼ唯一の選択肢
W-ZERO3[es]を使っているユーザーのなかで、PHS接続しか利用できないことに不満をもっている方は、実はそれほど多くはないかもしれない。高速とはいえないけれど、外出先でもそれなりの速度での定額でのデータ通信が可能な点はW-ZERO3[es]の大きな強みだからだ。
とはいっても、一度、無線LANの速度に慣れてしまうと、たとえば、TV番組表ブラウザの「UKTvList」でTV番組欄のデータを確認できるまでに、PHS接続ではかなり待たされた感じがしてしまう。また、気軽に聴くことができるインターネットラジオのデータ転送速度(kbps)もPHS接続と無線LANではかなり異なっていて、前者では24kbpsくらいを目安にして、利用可能な回線速度を自分で意識して局を選択しなければならない。その点、無線LAN経由ならそんなことは気にしなくていい。また、ストリーミングの動画などの視聴でも、快適さは2つの接続方法ではまったく異なっている。
こうした不便を解消するには、周辺機器を利用してW-ZERO3[es]で無線LAN環境を実現する方法があるが、W-ZERO3[es]で利用可能な無線LANカードは意外に少ない。現状、日本において法的にも問題なく利用できるのは、IBS Japanが日本で販売しているminiSDカードタイプの無線LANカード、IMSW-822がおそらく唯一だろう。
- mini SDIO WLAN Card 「IMSW-822」:IBSJapan WEBカタログ
- http://www.ibsjapan.co.jp/Catalog/PC_CF_SD/MiniSD/IMSW-822.html
以下に、IMSW-822の使い方を紹介するが、その前に、筆者が考える2つのちょっとしたマイナス面に触れておこう。まず、カードが9980円(税込)と、安価とは言い難い点。販売も現状ではネット通販に限定されているようだ。
もうひとつは、miniSDカードタイプの周辺機器であるため、無線LANを利用している間は、miniSDカードスロットがふさがってしまう点だ。一般的に、miniSDカードスロットには、データ保存先としてカードを常時装着しているユーザーが多いと思うので、IMSW-822を日常的に利用するためには多少工夫が必要だろう。
IMSW-822にはこうした弱みも確かにあるが、なかなか快適な利用も可能だ。自分の用途にあっているのかなど、費用対効果をよく考えてから申し込むといいだろう。
ちなみに、ウィルコムでは、抽選で1000名に「IMSW-822」が当たるキャンペーンも実施中だ。応募条件や期限などは、以下のURLをチェックしてほしい。
- W-ZERO3[es]専用ワイヤレスLANカードプレゼントキャンペーン
- http://www.willcom-inc.com/ja/cp/wlan/
ドライバのインストール
IMSW-822をW-ZERO3[es]で利用可能にするためには、まず、ドライバをパソコン経由でW-ZERO3[es]にインストールする必要がある。パソコンとW-ZERO3[es]をActiveSync経由で同期した後に、インストールを開始しよう。こういった操作は、パソコンからソフトウェアをW-ZERO3[es]にインストールする際の通常の手順と同様だ。
ドライバをパソコンからインストール
パソコンでインストールを開始する。まず、契約書を読んだ後で「使用許諾契約の全条項に同意します」をチェックする。
インストール先デバイスのOSを選択
W-ZERO3[es]で利用するので、OSは「Windows Mobile 5」を選ぶ。
W-ZERO3[es]へインストール
W-ZERO3[es]へのインストールが始まる。
このとき、W-ZERO3[es]側でも同様に、通常のソフトウェアをインストールする手順と同じく画面上での操作が必要となる。プログラムがインストールされると、メニューバーの中央に、アンテナのアイコンが追加して表示されるようになる。インストールが終了したら、「スタート」メニュー→「設定」→「システム」タブ→「プログラムの削除」で確認してみよう。「IBSJapan IMSW-822」というプログラムが追加されているはずだ。
W-ZERO3[es]でインストールを続ける
W-ZERO3[es]で、ドライバをインストールする場所をきいてくるので「デバイス」を選び、W-ZERO3[es]の本体にインストールしよう。352KBの空き領域が必要であることがわかる。
インストールが完了
インストールが成功すると図のように表示され、インストールが終了したことがわかる。
インストール直後のToday画面
プログラムがインストールされると、タイトルバーに丸で囲んだアイコンが表示される。無線LANネットワークがある環境で「IMSW-822」をminiSDカードにさしている場合は、図のように新しいネットワークが検出される。ここでは、何もしないでおこう。
ドライバを確認
念のため、「スタート」メニュー→「設定」→「システム」タブ→「プログラムの削除」でドライバがインストールされたかを確認しておこう。
「無線LAN接続切替ツール」をダウンロードして設定をする
ドライバをインストールしたら、無線LANの設定をすることになるが、
Windows Mobileでは、意外に無線LANの設定が難しい。そのまま「設定」→「接続」タブ→「接続」の画面で設定を行ってもいいが、かなり混乱する人もいるのではないかと思う(少なくとも筆者はそうだ)。そんな人に便利な方法が、ウィルコム公式サイトからダウンロード可能な「無線LAN接続切替ツール」を利用することだ。
無線LAN接続切替ツールを入手するには、まず、W-ZERO3[es]からOpera MobileなどのWebブラウザで、「ウィルコム公式サイト」へPHS回線を使ってアクセスする。公式サイトのページの右下にダウンロードのためのリンクがあるので、「無線LAN接続切替ツール」をダウンロードし、インストールしよう。
公式サイトへアクセス
Opera Mobileでウィルコム公式サイトへアクセスする。通常の方法でダウンロード後、インストールする。
リンクから「無線LAN接続切替ツール」をダウンロード
画面右下の「ダウンロード」から「無線LAN接続切替ツール」をタップする。
ダウンロード画面
ダウンロード画面に切り替わるので、「ダウンロード」ボタンをタップする。
「無線LAN接続切替ツール」を使った設定
無線LAN接続切替ツールのインストールを終えたら、IMSW-822をminiSDカードスロットにさした状態で起動しよう。最初に「ウィルコム無線LANオプション」(月額700円。ただし、契約内容による)で利用可能な「ホットスポット」の設定画面が現れる。ホットスポットに加入している場合は、ここで設定内容を入力してみよう。
無線LAN接続切替ツールを起動
ホットスポットの設定画面が表示される。
ホットスポット設定の入力例。
あらかじめ決められたログインIDとパスワードを入力する必要がある。ネットワーク名とネットワークキーは、あらかじめ入力されているので新たに入力する必要はない。
続けて、ほかの無線LANの設定を行う。「接続先名」には自由に名前を入力し、SSIDとWEPキーなどを入力する。必要があれば詳細設定を行う。最後に「登録」をタップして設定を保存する。
無線LANカードをさした状態なので、エリアに入って設定が正しければ、登録した名称のエリアに入ったことを教えてくれるはずだ。
ホットスポット以外の無線LANを設定
接続名やSSID、WEPキーなどを設定する必要がある。
無線LANの設定例
さらに細かな設定は「詳細設定」をタップして行う。
設定内容を登録
最後に「登録」を押して設定を保存する。
登録した無線LANを検知
無線LANカードを刺した状態なので、エリア(ここでは「自宅」)に入って設定が正しければ、登録した名称のエリアに入ったことを教えてくれる。
接続中の状態
「自宅」のアイコンがアクティブになっている。無線LANの使用をやめる場合は、「切断」をタップする。
ブラウザでインターネットに接続
Opera Mobileでアクセスできることを確認しよう。
接続中のネットワークを確認
上の接続アイコンをタップするとどこに接続しているのかがわかる。
ホットスポットなどの公衆無線LANサービスで無線LAN接続を行う場合も、基本的には同様だ。一度設定してしまえば、ホットスポットのエリアに入ると、下図のようにホットスポットのエリアに入ったことをメッセージで教えてくれる。「はい」をタップすれば、接続が可能だ。
ホットスポットを自動的に検出
ホットスポットのエリアに入れば、一度設定してあれば自動的に接続が可能だ。
ホットスポットで無線LANに接続
ホットスポット以外の公衆無線LANサービスでも、「エリアに入ったことを検知→接続」という手順は基本的に変わりない。
接続先の確認
ホットスポットの場合は、「0033 (Wi-Fi)」という名称で接続される。
ただし、これだけの操作で無線LANを利用できるのは、ホットスポットに対応した「無線LAN接続切替ツール」を利用しているからで、ほかの公衆無線LANサービスを利用する場合は、接続後、無線LANサービスを利用する前に、Webブラウザで「ログインID」(あるいはそれに相当した名称のもの)とパスワードを毎回入力する必要がある。
「ちず丸for W-ZERO3」を利用する
ホットスポットのユーザーであれば、ウィルコム公式サイトから入手可能な「ちず丸for W-ZERO3」(以下、ちず丸)は、非常に役立つツールとなるだろう。PHSだけではなく無線LANを使って接続している場合でも、おおまかな位置情報がわかり、ホットスポットが利用可能な近くのショップなどが地図に表示されるからだ。
知らない場所にいる場合は、まずは、PHSで接続して場所を確認し、そこまで行って無線LANを使うといった使い方も可能だ。
ちず丸の起動画面
現在地周辺の地図を表示(無線LANを使用)。近くにあるホットスポットを利用可能な店などの位置がわかる。
お店情報を確認
画面の下の方には飲食店舗などの情報があるので、さらに詳しく周りの様子を知ることができる。
無線LANを利用しながらminiSDカード内のデータも参照するには?
実際にminiSDカードスロットにIMSW-822を挿入してみると、わずかだが出っ張ることになる。正直なところ、miniSDカードスロットの用のカバーが浮き上がってしまい、あまり心楽しい気分にはならない。かといって、カバーを取ってしまうのも勇気がいるだろう。なかなか難しい問題だ。
また、初回使用時には、認識にかなり時間がかかるようで、結構ドキドキしてしまう。2回目以降はさほど待たされることもなく認識するようで、実用上はまったく問題ない。もっとも、筆者の日常的なW-ZERO3[es]環境だと、BluetoothやGPSの設定を可能なようにレジストリなどを変更してしまったためか、まったく認識できずに非常に焦った時を過ごすことになった。フォーマットして環境を構築した後では、認識しないといったことはない。
IMSW-822を装着した状態
このように、IMSW-822をさすとちょっと出っ張ってしまうため、カバーが閉まらなくなる。
一般的に、miniSDカードにはデータを入れたり、さほど頻繁には使わないプログラムやデータサイズの大きなプログラムを保存していると思う。しかし、miniSDカードスロットがこのIMSW-822でふさがれてしまうとなると、そういったデータやプログラムも一緒に使いたいときはどうするのか、という問題が生じる人もいるだろう。一番手っ取り早いのは、とにかくデータやプログラムは内蔵のメモリだけでやりくりするという方法だろうが、さすがにこれは限界が出てくる人が多いんじゃないかと思う。
そこで、簡単な解決方法としては、USBホストケーブルをUSB端子に接続し、そこに外付けのメモリカードやメモリカード接続用のデバイスをさして利用しようという方法だろう。
USBメモリカードを利用してもいいし、普段使っているminiSDカードをカードアダプタに接続して利用してもいいだろう。これでデータの方はなんとかなる。ただし、問題点はプログラムやショートカットなどはリンクが切れてしまってそのままでは使えない場合があるということだ。プログラムによっては、インストール時に指定した保存先からファイルを移動させると、利用できないものもある。
そういった不都合が生じる場合は、miniSDカードに保存するプログラムを限定したり、ショートカットのリンクを複数作成することなどで解消しよう。
USB接続を利用してminiSDカードを認識
普段使っているminiSDカードを利用するために、USB接続タイプのカードアダプタを利用。
USBメモリ内のデータにアクセス
miniSDカードがどうせ使えないなら、USBメモリを利用してもいいかもしれない。
IMSW-822を使ってみて
非常に高速にWebブラウジングが可能になったり、ファイルのダウンロードが可能になったりする点は素直にすばらしいと思う。
ただし、そのためにこの価格を支払うことに納得できるのか、そして、miniSDカードが利用できないというある種の不便さを我慢できるのか。購入を検討するポイントは、つきつめて考えると、どういった状況でどのくらいの頻度で無線LANを利用したいのかという当たり前の結論になる。
家で無線LANを使っていて、どこでも高速にWebを利用したり、インターネットラジオを聴ききたい、といったニーズには最適だろう。