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【電子ブック】W-ZERO3[es]を電子ブックビューアにして読書しよう

W-ZERO3[es]を電子ブックビューアにして読書しようW-ZERO3[es]は、携帯電話やメーラーとしてだけでなく、ミュージックプレイヤーなど、さまざまな機能を活かした用途が考えられる。なかでもW-ZERO3[es]に最適といっても過言ではないのが、電子ブックビューアとしての機能だ。

W-ZERO3[es]が電子ブックビューアに向いているわけ

正直にいえば、小さいことで外でも片手で扱いやすい点を除くと、従来のW-ZERO3の方が、W-ZERO3[es]よりも電子ブックビューアには向いていると思う。理由はなんといっても前者の方が液晶ディスプレイの大きいからで、これよって視認性のよさはまったく異なるからだ。

だが、W-ZERO3[es]のディスプレイも2.8インチしかないことを除くと解像度は640×480ドットと従来機種と同様だ。しかも、ときにモックを触っているんじゃないかと勘違いしてしまう時もあるほど、たいへん精細で表示が美しい液晶ディスプレイだ。
さらに、W-ZERO3に比べて重量が軽い点、持ったときのバランスがいい点はW-ZERO3[es]のメリットといえる。W-ZERO3では、片手でずっと持ち続けることはけっこう大変だし、片手だけの操作は意外にやりづらい。その点、W-ZERO3[es]では、テンキーが用意されていることもあって、片手での操作は自然にできる。

W-ZERO3[es]で作品を読むために必要なもの

W-ZERO3[es]で電子書籍を読むには、いくつか準備が必要だ。
まず作品を表示するソフトだが、これはとりあえず付属の「ブンコビューア」を使おう。いくつかものたりない点もあるが、なんといってもバンドルされているのすぐに使える手軽さが魅力だ。
さらに、小説を読むのであれば、美しい書体で縦表示で読みたい。そこでぜひとも用意したいのが明朝系のフォントだ。活字の小説はほとんどが明朝体を書体に使っているのだから、これは必須ともいえる。もちろん、筆者の好みでもある。

それでは以下に、準備を経てW-ZERO3[es]で小説を読むまでの、具体的な手順を解説していこう。

明朝系のフォントを用意する

現在、W-ZERO3[es]で利用可能な明朝系フォントはたくさんあるが、ほとんどは市販されており、プロ向けのフォントがほとんどだ。こうしたフォントは料金が高いことがしばしばで、データサイズも大きい場合が多い。そこで、ここではフリーウェアの明朝系フォントと、市販ではあるが比較的手頃な価格のシェアウェアフォントを紹介する。ただし、そのほかでもTrueTypeフォントであれば、基本的には利用できるはずだ。パソコン用のWindowsに付属したTrueTypeフォントも利用はできるが、ライセンス上の問題が発生するおそれがあるので避けた方がいいだろう。

フリーウェアの明朝系フォントはたいへん限られており、ほとんど唯一と思われるのが、独立行政法人 情報処理推進機構が提供しているフォント(IPAフォント)の「IPA 明朝」と「IPA P明朝」だ(後者はプロポーショナルフォント)。
「フルフォントバージョン」はおよそ45MBもあるので、パソコンでダウンロードしたほうがいいだろう。解凍すると「grass5.0.3_i686-pc-linux-i18n-ipafull-gnu_bin」という名称のフォルダが作成される。その中の「fonts」フォルダ内にある「ipam.ttf」はフォントが等幅の英字を含む明朝系フォント、「ipamp.ttf」は英字がプロポーショナルフォントの明朝フォントだ。ここでは、「ipamp.ttf」を利用しよう。容量は、3498KBある(インストール法は後述)。

独立行政法人 情報処理推進機構のフォント(IPAフォント)付きGRASS国際化版(i18n)
http://www.grass-japan.org/FOSS4G/readme-grass-i18n-ipafonts.eucjp.htm

また、市販の商業用フォントの中にも価格が比較的手頃で、シェアウェア感覚で購入できるものがある。その好例が「DynaFont」シリーズで、たとえば明朝系フォントである「DFP華康明朝体」は、2100円というこの手のフォントとしては破格の安さで販売されている。DynaFontシリーズのうち、「書体1~10」の「1 DFP華康明朝体W3」か「2 DFP華康明朝体W5」が太さの面で、W-ZERO3[es]の画面に向いているだろう。筆者は好みで、W3のほうを利用している。

DynaFont Series
http://www.vector.co.jp/swreg/catalogue/dynalab/

Windows Mobileで利用するフォントについては、Smart-PDA.netの「見た目は重要!フォントを変えて見栄え良く。 フォントを変えよう」がくわしく参考になる。

TrueTypeフォントをインストールする

TrueTypeフォントを入手したら、W-ZERO3 [es]にインストールする必要がある。フォントのファイルをActiveSyncやminiSDカードを利用して、W-ZERO3[es]に移そう。さらに、ファイルエクスプローラやGSFinder for Universalのようなファイラを使って、W-ZERO3 [es]の「Windows」フォルダに移動させる。「Windows」フォルダの中には「フォント」フォルダもすでに用意されており、そちらにコピーしてもフォントは同様に利用できるが、あとで削除したりする場合に手間がかかるので「Windows」フォルダでかまわない。その後、W-ZERO3[es]をリセットすると、インストールしたTrueTypeフォントが利用できるようになる。

フォントをW-ZERO3[es]にインストールする

01.png

フォントファイルは「Windows」フォルダ内にコピーしよう。さらにその下の階層にある「フォント」フォルダにコピーしてしまうと、削除する際の操作が面倒になる。

なお、インストールしたフォントを削除する場合、フォントが利用中のためか、そのまま削除することはできない。まず、ファイルエクスプローラやGSFinder+ for Universalのようなファイラを使って、カット&ペーストなどの操作で、フォントファイルを「フォント」フォルダや「Windows」フォルダ以外のフォルダに移動させる(Windowsフォルダの中の「プログラム」フォルダあたりがいいだろう)。その後、W-ZERO3[es]をリセットすると、移動させたフォントは通常の操作で削除できるようになる。

フォントを入れた後、いくつか不都合もあることも知っておこう。それは、システムフォントの一部が勝手に置き換わってしまうケースがあるということだ。Internet Explorer Mobileや「メール」の本文のフォントは、新しく追加したフォントになぜか置き変わってしまう。

ブラウザで本文のフォントが変更されてしまう

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IE MobileやOpera Mobile、「設定」の画面などでは、一部のフォントが明朝系のフォントに置き換わってしまう。これはこれで悪くはない気はするが。

インストールしたフォントを美しく表示するように設定をする

インストールしたフォントを文庫ビューアなどでなめらかに表示させるには、さらにW-ZERO3[es]で設定操作をしなければならない。そのためには、フリーウェア「Pocketの手 for W-ZERO3」のインストールが必要だ。Pocketの手 for W-ZERO3は、EXE形式の単独実行ファイルなので、圧縮ファイルをダウンロードして解凍し、EXEファイルをW-ZERO3[es]に移せば、起動できるようになる。こちらのページなどを参考してショートカットを作成し、「プログラム」画面から起動できるようにすると便利だろう。

Pocket の手 for W-ZERO3
http://smart-pda.net/useful7+index.id+7.htm

Pocket の手 for W-ZERO3をインストールしたら、このソフトを使って、「クリアタイプ(ClearType)をオンにする必要がある。クリアタイプとは、ビットマップフォントのジャギーに疑似的な諧調を与え、美しく見せてくれる機能だ。Pocket の手 for W-ZERO3を起動したら「表示」タブで「クリアタイプ設定を表示する」のチェックをオンにしよう。好みで「横画面時もクリアタイプ有効」をチェックしてもいいだろう(電子ブックでは縦画面で表示したほうが読みやすいので、ここではあまり関係はない)。その後、「設定」メニューから「保存して終了」を選ぶ。

Pocketの手 for W-ZERO3の設定画面

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Pocketの手 for W-ZERO3はW-ZERO3をさまざまな角度からカスタマイズできるソフトだ。「表示」タブでクリアタイプの設定をオンにしよう。

変更した設定を保存

「設定」メニューから「保存して終了」を忘れずに選ぼう。

次に「スタート」メニュー→「設定」→「システム」タブ→「画面」→「ClearType」タブで「ClearTypeを有効にする」をチェックする。これでClearTypeが、W-ZERO3 [es]でも利用可能になった。

「画面」でのClear Typeの設定

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「スタート」メニュー→「設定」→「システム」タブ→「画面」→「ClearType」タブで「ClearType を有効にする」をチェック。

W-ZERO3[es]で読む電子ブックを調達する

いよいよ電子ブックの入手といいたいが、残念ながらネット書店などで購入可能な電子ブックは、現状、作家や作品の絶対数があまりにも少ない。筆者が市販の電子ブックを利用していて強く感じる不満でもあるが、販売サイトで購入できる電子ブックは、公立図書館の蔵書とは比較にならない程度で、巷の小さな本屋さんにも劣るような作品数しかない。

当たり前のことだけれど、小説というものは非常に趣味性の高いものだ。わざわざ小説を買って読もうという人は、「文字が書いてあればなんでもいい」と思って小説を選んで購入するわけではない。誰しも確固とした嗜好があり、それに照らして作品を数百万冊の中から選んでいるわけだ。それが、用意されている電子ブックは決定的に少ないため、嗜好に合った作品を選んで読む楽しみを味わうことが難しい。好きな作家の作品が見つかればましな方で、あったとしてもヒットした数作品しかない、という場合も多い。読者に選択の余地がないのだ。電子ブックは、作品さえそろっていれば、携帯端末を使って、数百冊ものデータを一度に持ち歩いたりすることもほとんどなんの問題もなくできるほど素晴らしいものなのだが。

一方、ネット書店で購入する方法とは別に、電子ブックへの異なったアプローチがある。それは、個人や団体によってネットで公開されているデータを、無償、または有償で入手しようという方法だ。そのひとつが「青空文庫」の利用だ。青空文庫では、著者の死語50年を経て著作権が切れた小説や、著作権者から公開を許諾された小説、エッセイなどを無償でボランティアが公開している。

青空文庫
http://www.aozora.gr.jp/

青空文庫のトップページ

青空文庫では、著作権の切れた小説などを無償で読むことが可能だ。画面はOpera Mobileでの表示例。

青空文庫で公開されている作品は、Webページをブラウザで読むこともできるし、データとしてダウンロードして解凍後、ビューアを使って読むことも可能だ。夏目漱石、森鴎外、芥川竜之介といった日本近代の古典というか名作もそろっているので、非常に興味深い。筆者なども夏目漱石や森鴎外、芥川竜之介をいまさらながらに読み返すことができて、その奥深さにびっくりすることができた。

公開されている作品は、作家別、作品別に探すことができる。試しに「芥川竜之介」を見てみると、2006年8月現在、短編を中心に243作品が公開され、128作品が作業中であることがわかる。
ここでは、「羅生門」の新字新仮名を選んでみた。「ファイルのダウンロード」と「いますぐXHTML版で読む」から操作を選べるが、ここではデータをダウンロードしてみることにする。

ダウンロードページに移ると、ZIP形式で圧縮されたファイル、EBK形式のファイル、XHTML形式のファイルを選択できるが、ここではZIP形式を選ぼう。ダウンロードしたファイルの保存場所やフォルダはどこでもかまわない。ファイルをダウンロードしたら、上述したGSFinder+for UniversalやExぱんだなどのソフトを使ってファイルを解凍する。「rashomon.txt」というファイルができたら、「My Documents/ブンコビューア」フォルダにコピーしよう。これでブンコビューアを使って電子ブックを読む準備が整った。

Exぱんだ v0.2.1β
http://www.geocities.jp/m_hiloci/

作家リストを表示

07.png

ア行の作家をリスト表示。ここでは「芥川竜之介」のリンクから、「羅生門」を選んでみた。

ファイルのダウンロード

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作品名を表示する「図書カード」のページにたどり着いたら「ファイルのダウンロード」を選択。

ZIP形式でダウンロードする

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W-ZERO3[es]のブラウザを使って、ZIP形式の圧縮ファイルファイルをダウンロード。GSFinder+for Universalを使った場合、圧縮ファイルの解凍先は、標準設定では「Temp」フォルダになる。作品のテキストファイルは「My Documents/ブンコビューア」フォルダに移そう。

ブンコビューアの設定を変更する

ブンコビューアを起動してみよう。前回の使用時に電子ブックを読んでいない状態で終了した場合、表示するデータを選択をする画面になる。この状態で「表示」メニューから確認できるのは「My Documents」「ブンコビューア」フォルダ内の作品がだけだ。他のフォルダにおいてある電子ブックのデータも「表示」→「マイデバイス」からたどって表示することは可能だが、毎回選択する操作が必要となる。

ここでは、「rashomon.txt」を選択しよう。
起動すると下図のように「羅生門」のテキストが表示される。このままでは読みにくいので、表示を変更する。

ブンコビューアを起動した画面

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ブンコビューアを起動すると決まったフォルダの内容を表示する。ここでは、「rashomon.txt」ファイルを選ぼう。

作品を表示した状態

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初期設定では、読みやすいとはいえない。縦書きやフォントの設定を変更したいところだ。

「メニュー」でまず「縦書き」を選ぼう。同様に「ルビ」を選択すると、《》形式の括弧でくくられたひらがなをルビとみなして表示できる。ルビのオン/オフは好みでいいだろう。便利な機能だが、行間が膨らんでしまうので小さなフォントで読んでいる場合は、なかなか悩ましい選択になる。

縦書きに変更する

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「メニュー」から「縦書き」を選択しよう。

ルビ表示を有効にする

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ルビ表示は好みだが、古い時代に書かれた作品が多い青空文庫のものだと、オンにしたほうがいいだろう。

さらに、「設定」のサブメニューで細かな設定を行う。「文字の設定」では、表示フォントの種類、サイズ、文字間隔、行間、余白の指定が可能だ。筆者の好みは、W-ZERO3 [es]の場合、シェアウェアの明朝フォント「DFP華康明朝体W3」、サイズが「24」、文字間隔「最小」、行間間隔「最小」、余白「中」、「太文字」のチェックはオフ、だ。

「文字の設定」を変更する

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好みや視力の問題もあるが、これが筆者の設定だ。

この設定でさらに、「メニュー」→「表示」→「全画面表示」を選択すると、文章を画面いっぱいに表示して快適に読むことができる。カーソルキーの下を押すと、ページをめくるように全画面を切り替えて続きの文章を表示する機能もあるが筆者は使ってはいない。
DFP華康明朝体W3フォントは気に入っているが、横書き用のフォントのためか、句読点が行の中央に寄ってしまってあまり格好がよくない点は残念だ。


本文の表示例 -1

15.png(クリックで拡大)

筆者の設定にした本文の表示例。なかなか小説を読んでいるという気になってくる。

本文の表示例 -2

16.png(クリックで拡大)

こちらは、「IPA P明朝」フォントを使った表示例。フォントを小さくしてしまうと、あまり上の「DFP華康明朝体W3」との差異は感じられないかもしれない。

W-ZERO3[es]の画面での見え方

17.jpg

実際にはこういった感じで読書ができる。

ブンコビューアは、テキスト形式のファイルであっても、前回まで読み進んだところを覚えておいてくれるので、いつでも読書を中断して、またすぐ続きを読むことができる。
さらに、テキスト形式のファイルであればなんでも表示できるので、Webサイトなどで公開されている小説などを、Opera Mobileで「Ctrl+A」で全選択し、テキストエディタなどにペーストしてから、TXT形式のファイルを作成してブンコビューアで読むこともできる。

もちろん、市販されている電子ブックで気に入った作品があれば購入してもいい。もっともさまざまな作品が購入できるといいのだが。

This article posted by yam on 2006/08/30 20:20

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