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辛口連発!? WILLCOM 03、WILLCOM D4を本サイトライター陣が評価 ウィルコムに期待することとは?/座談会 - 前編

辛口連発!? WILLCOM 03、WILLCOM D4を本サイトライター陣が評価 ウィルコムに期待することとは?/座談会 - 前編

WILLCOM 03、WILLCOM D4の相次ぐ発売から約1カ月半経った2008年8月5日夜。西新宿に移ったアスキー・メディアワークスのオフィスにて、本サイトライター陣が集まり、座談会による意見交換を行った。その模様を前後編にわたってお送りしよう。予定したテーマは、WILLCOM 03、WILLCOM D4両デバイスの評価とウィルコムへの提言。口火を切ったのは、WILLCOM D4を購入、常用している山田氏による評価コメント。前編は、WILLCOM D4を巡るライター陣の見方を中心に紹介する。

参加者:kzou、Sign、tantan、みのたん、山田(メンバーのうち、tantan氏は女性ライター)

WILLCOM D4は誰のためのマシンか

―まずは、WILLCOM 03とWILLCOM D4を皆さんがどう見ているのかを伺っていきたいと思います。山田さんはWILLCOM D4をお持ちですよね。使い心地はいかがですか?

山田: いや、実は発売日がWILLCOM D4と同じだったiPhoneにも興味はあったんですけれどね(笑)。iPhoneを扱う店舗に行ったら引き渡し券の日付が翌日だったので、そこでちょっと考えまして。自分のモバイル端末の使用スタイルだとWILLCOM D4のほうが向いているなと思い、どちらも12万円台と同程度の出費だったこともあり、こちらにしました。もちろんデバイスのジャンルが全く異なるので、比べるようなものではありませんけど。
ちっちゃいノートパソコン自体が好きなんで、今日もOQOの端末(Model 01+)とか持ってきていますけど(と取り出す)、その延長で、手で持ったときに使いやすいデバイスという視点もWILLCOM D4を選んだ理由のひとつです。

―実際の使い心地はどうですか。標準バッテリーでは常用は厳しいという声もありますが。

山田: 意外と快適ですよ。といっても、バッテリーが少ないのはどうしようもないので、大容量バッテリーはオプション購入しました。大容量バッテリーが無料で手に入るキャンペーン期間中に購入したので、あともう1個届く予定です。標準バッテリーだけで使っていたときは、外で使うにはかなり不安もありましたけれど、大容量バッテリーを使い出してからは、特に困ってはいないです。
調べ物をするときなんか、前はスマートフォンを使ってましたが、今はわりとWILLCOM D4を使ってます。ノートパソコンみたいにたくさん文字を入力するときは、Bluetoothキーボードに接続して。ただ、画面は狭いので、読み直して修正したりするのにはあまり向かないですね。今は楽しんで使ってますよ。

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―電話としてはどうでしょう?

山田:電話としての利用は最初から全く考えてません。これを携帯電話に利用するとなると、待ち受け状態が続いてバッテリがもたなくなるのが不安だし、電話として扱いやすい大きさではないと思いますから。電話は別のスマートフォンを使っています。
WILLCOM D4は、電車の中とかで立って調べ物したりとか、結構限定された用途で使いたい感じです。今までスマートフォンでやっていたことを置き換えてWILLCOM D4でやる、というイメージかな。
とくに、W-SIMでのPHS接続はもちろん、(ウィルコム的には嬉しくないでしょうが)EMONSTER(イー・モバイル「S11HT」)をBluetoothで接続してネットにつなぐこともできるし、無線LAN、有線LANと、いろんな通信手段を自分で選択できるのが個人的にはうれしいです。
まあ、そうはいってもモバイル環境での作業をWILLCOM D4にすべてを任せられるかといえば、そこまで万能ということはなくて、外で記事を書かなくちゃいけないとわかっているときは、やっぱりノートパソコンを持って出たりするわけですけれど。

tantan: キーボードが私のように小さな手だと奥まで届かないんです。置いてタッチタイピングがしやすいのならいいのですが、それもムリそうですし。手の小さい女性が使うにはちょっと厳しい製品かな、という気がします。画面の横についているタッチパッドがすごく操作性がよくて好みなので、個人的にはキーボードが本当に惜しいです。

山田: 500gっていうのは意外に重たいですしね(注:専用標準バッテリー装着時: 約460g)。キーボードは、左右から持つと中央付近のキーに親指が届かないですが、下から持つようにすると打てますよ。たしかに、置いて使うと入力は厳しいです。手で持ったときに使いやすいようにできているので、その不便を感じることはほとんどありませんが。

kzou: いやぁ、山田さんは手が大きいからね。遠くから見るとニンテンドーDSくらいに見えますよ(笑)。

―結局、WILLCOM D4はかなりコアな層に向けたデバイスであるということはいえそうですね。

山田: そもそも企画段階で、広いユーザーに訴えるデバイスとしての位置づけはウィルコムにもなかったと思いますよ。
そういう点で、ウィルコムらしい、シャープらしい、ある意味こだわりの製品といえるんじゃないでしょうか。多くのユーザーが受け入れるものではないでしょうが、ある一定のユーザーにはすごく深く訴えるデバイスだとは思います。

―どんなデバイスを使っている人が買い換えるんでしょう。

山田: WILLCOM D4は、「小さいパソコンでこれをしたい」という明確な意思がある人に向けたデバイスだと思います。「(メールの返信やブラウジングみたいに)ケータイとかスマートフォンでもできることなんだけど、パソコンのほうが快適にできる作業をしたい」とか「アドベンチャーゲームを移動中にもやりたい」とか、はっきりした目的がないとおすすめできないかも。
漠然と「小さいパソコンがほしい」ということなら、4~5万円台で買える時代ですからね。確かに安いUMPCよりは、WILLCOM D4のほうが機能的には上ですが、わざわざ12万円以上出してこれを買うというのは、「電車の中で持って使う」「歩きながら使う」みたいに、使い方に明確なビジョンがないと、宝の持ち腐れになっちゃうと思います。

kzou: ポジティブなんだかネガティブなんだかよくわからない評価(笑)。しかしともかく、モバイル端末にそこまで明確なビジョンを持っている人にあてたマシンということは、かなりのパワーユーザー向けということですね。

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持ち歩けるメインマシンという使い方

kzou: 僕は山田さんみたいな使い方よりも、WILLCOM D4は、ウィルコムが作ったイメージビデオみたいに使うのが理想なんじゃないかと思っていました。つまり、家でメールを受信して移動中に目を通しておき、会社に着いたらクレードルにセットして、大きなモニタとキーボードにつないで、メールに返信したり、仕事の続きをする、みたいな。

山田: ほんとにそんな人いるの?

kzou: いるいる。何人も知ってます。移動中はデータビューアとして使っていて、家ではUSBキーボード、会社ではBluetooth キーボードにつないで仕事に使っている人とか知り合いにいますよ。WILLCOM D4だけで文字入力を済ませようと考えると厳しいけど、本体のキーボードは移動中にちょこっと何か入力するときに使うくらいで、作業自体はデスクでクレードルにのせて、外付けのキーボードと液晶モニタをつないで大きい画面で操作する、という感じの使い方です。

Sign: ドッキングを前提した使い方ということですね。

山田: まあ、ちょっと遅いデスクトップ、くらいの使い心地で使えるかもしれませんね。

kzou: 動作速度は、外で使うぶんには全く気にならないレベルでしょう。だからWILLCOM D4は、クレードルありきのマシンなんじゃないかな、と思います。クレードルに載せれば、母艦として他の端末とも接続できるけど、外出時も持って歩ける。入力もやろうと思えばできる。バッテリーの持ちが悪いという話が出ましたが、こうした使い方なら、バッテリーは移動中にちょっとデータを確認するくらいにしか使わないから、2時間ももてば十分、という考え方もできるでしょう。

山田: セカンドマシンか、人によってはサードマシン、という感じですか。

kzou: いやいや、そこをファーストマシンとして使ってみるわけです。キーボードとモニタをつなげて、普段から使っていてもいいんじゃないのかな、という。セキュリティが厳しい会社だと難しいでしょうけど、自分のパソコンを持ち込める環境なら、会社のクレードルにドッキングして、家での作業の続きをすればいい。職種によってはメールの送受信やブラウジング、Officeソフトでの文書作成くらいでしかパソコンは使わないという仕事もあるでしょう。そういう人たちならこれで十分だし、最新のデータを常に持ち歩けるので、便利だと思いますけれど。「持ち出せるデスクトップパソコン」という位置づけですね。

―家に仕事を持ち帰るという意味では、理想的なマシンというわけですね。

みのたん: バッテリーが持つなら、デバイスとしては僕も好きなんですけれどね。大容量バッテリーでどのくらいもつんですか。

山田: 3時間くらいですか。私は標準バッテリー1個と大容量1個を常に持ち歩いて使っています。標準バッテリーの持ちの悪さは、やっぱり残念でした。ハイバネーションとかでもバッテリが減りますし。昔のパソコンではそういうこともあったけど、最近の機種では珍しいケースだし、結構減るので、そこは想定外でがっくりきました。

kzou: クレードルには予備バッテリーも別途、充電できるようになっているので、案外、バッテリー2個持ちっていう使い方は、最初から前提されているのかもしれませんね。

山田: ただ、kzouさんが言うような使い方だと、最近人気の4~5万円台のUMPCと比べられて負けちゃうんじゃないかな、とも思うけど。

kzou: まあでもWILLCOM D4のほうが、ちっちゃくて軽いですから。ハードディスクの容量も一応約40GBと大きいですし。現在進行中の仕事データを扱うくらいなら、楽に持ち歩ける容量ですよね。OSがずいぶんハードディスク容量を占めているとも思いますが、動画や音楽を保存するのでなければ、十分でしょう。心配なら、大容量のmicroSDカードなどで補えばいいですし。

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山田: デスクで使うなら、電話機能は、オフィスの固定電話みたいな使い方ができますね(笑)。外出中にずっと待ち受けにしているのはバッテリーが厳しいのであまり期待できませんが。

kzou: ただ、そうすると「クレードルは自宅用とオフィス用の2つを買ってくださいね」となってしまうのがネックかな。例のイメージビデオでもそういう設定になっていましたが。

Sign: そこはもうちょっとクレードルが安いと、使い方の提案として伝わりやすかったかもしれませんね。

山田: もしkzouさんの言う通りの使い方がウィルコムが想定していた使用スタイルだとすると、WILLCOM D4は、もっとパワーユーザーに向けに作るべきだったのでは、という気もします。今はパソコンを1人1台、自宅に持っていて、会社でも与えられているのが普通でしょうから、kzouさんがいう用途に当てはまる人は、そう多くはないでしょう。スペック的にはデスクトップ代わりに使うとしたらちょっと厳しいところもあるし。

kzou: まあ、確かに。

山田: 自宅と会社を行き来させながら使うパソコンとしてなら、もっと機能的にはシンプルでもよかったんじゃないかな、とも思いますよ。そういう意味で、デバイスとしてはよくできていると思うのですが、コンセプトがとらえづらいという点はあるかもしれない。

みのたん:「Windowsが動く携帯端末」という視点で見るなら、WILLCOM D4のアプローチは、すごく真面目な気はしますけれどね。

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WILLCOM D4に託したウィルコムのメッセージとは?

kzou: WILLCOM D4は、系譜上、初代W-ZERO3の進化形だとは思うんですよ。初代W-ZERO3は「ケータイでもない、PCでもない 第3のコミュニケーションツール」ということで、Windowsのデータを持ち歩ける端末という売り方をしていたわけですから(本当はWindows Mobileなので、別物なのですが)。
ウィルコムとしては、「初代W-ZERO3の後継機がほしい人」は、WILLCOM D4でカバーできていると思っているのではないでしょうか。

Sign:うーん。「Windowsが動いてます」という売り言葉に反応して初代W-ZERO3を買ってみたものの、使い出してみたら「違うじゃないか」と落胆した人には訴求するかも知れませんね。今度こそ文句なくWindowsが搭載されていますし。

kzou: それもVista(笑)。

みのたん: あとは価格かな。6~7万円だったら低価格ノートパソコンとも勝負ができるから、選択する人も増えてくるんじゃないかという気もしますけれど。

山田: まあ、もっと安いノートパソコンがあるのに、どうしてわざわざ12万円以上も出してこれを買うの? っていう疑問は残りますよね。
ただ、「どこでもネットワークにつなげてパソコンで使いたい」という欲求は多くの人が持っていると思います。だけど「立って使いたい」「歩きながら使いたい」と思うと、使えるマシンはいまはあまり選択肢がなくて、日本で使えるのはWILLCOM D4か、ソニーのVAIO type U、富士通のLOOX Uシリーズくらいでしょう。この中では、立った状態でのキーボードの打ちやすさやコンセプトを考えると個人的にはWILLCOM D4かな、という気がします。
ASUSのEeePCを代表とする低価格ノートパソコンは、低価格になるように作っているわけで、スペック的にどうしても弱いところがある。それに、使ってみるとわかるけど、あれは持って使うことは想定していなくて、置いて使うことを前提としています。なので、モバイル端末の使い方に明確なビジョンがある人なら、WILLCOM D4を選ぶ意義は十分あると思います。

kzou: やはり相当レベルの高いモバイルユーザーを前提としているというわけですね。

山田: ええ。だから逆にいえば、「よくウィルコムは勇気があってこんな製品を出せたな」と思いますよ。善し悪しは別にして、ウィルコムには、そういう意気込みをいつも感じるので、そこは買いたいと思います。

みのたん: いまどきこれほどハード的に詰め込んだものを出しているのはがんばってるな、という感じはします。とくに、液晶画面はきれいだし、感度もいいし、最高です。素晴らしい出来だと思います。

辛口の意見も飛び交うWILLCOM D4への評価だったが、前編はひとまずここまでとさせていただこう。この後は、WILLCOM 03について思うことを皮切りに、今後のウィルコムへの気体について話題が及んでいった。この内容は近日公開の後編にて報告する予定だ。

This article posted by staff on 2008/08/22 01:00

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