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第4回:マーベルCPUのこれから/W-ZERO3の心臓部「CPU」のヒ・ミ・ツ - 第4回
ARM系CPUの歴史とその特徴、そしてモバイル端末市場の様相と話題を広げてきた本シリーズ記事もいよいよ最終回。最後は、マーベル ジャパン株式会社 ビジネス デベロップメント マネージャー 漆原秀樹さん、シャープ株式会社 情報通信事業本部 通信融合端末事業部 第1商品企画部 副参事 横井寿治さんとともに、マーベルのCPUと携帯端末の未来について考えていこう。 <人物紹介>
マーベル ジャパン株式会社 <人物紹介>
シャープ株式会社 <人物紹介>
株式会社アスキー マーベルのCPUが進む道とは?遠藤::単刀直入になりますが、今後、マーベルのCPUはどのように進化していくことになるのでしょうか? :当社のスタンスとしては、各セットメーカーのアプリケーション・テクノロジを十分に生かせる製品を作るということに尽きるでしょう。OSやソフト開発に極力負荷のかからないようにパソコンとの親和性を保ちつつ実現する、というのが重要です。こうした姿勢を踏まえて、時代のトレンドにあったCPUを開発していきたいと思っています。 遠藤::端末のインターフェースはますますグラフィカルになっていますが、最終的には3DのGUIもサクサク動くというのが理想ですか? :確かによく端末メーカーからは「3Dグラフィック表現を可能にするCPUパワーがほしい」と相談を受けますが、実は文字通りの高度な技術を用いなくても、そうした要望をクリアできるケースは少なくありません。例えば、iPhoneの画面は立体感があってキレイですが、あれは疑似的な3Dで本当は2Dで処理されています。ピュアな3Dをめざす必要は必ずしもないわけです。すべての面でパワーアップさせていくとどうしても消費電力が大きくなって、バッテリーのもちが悪くなってしまいますから、機能を厳選して伸ばしていく必要があります。 遠藤::その開発ロードマップみたいなものはあるのですか? :ロードマップというよりも思想でしょうか。それは、「明後日の技術はいらない。明日の技術を提供していく」という姿勢です。毎年のように新しい端末が登場しますが、CPUはそのペースをあまり先回りしすぎても需要を開拓できません。 遠藤::新しい製品の登場で開発が盛んになったジャンルはありますか? 携帯オーディオ機器などでしょうか。 :今やCPUが入っていない機器はないですからね。現在、開発が盛んなジャンルにはポータブルナビの分野があります。PDNとも呼ばれ、ヨーロッパでは数百万台普及しているといわれている市場です。海外メーカーではガーミン社などが有名ですが、国産メーカーでもソニーなど参入する企業が増えてきましたし、国内市場も今後成長が見込まれているんです。 遠藤:W-ZERO3はどうでしょう。ビジネス向けとしてパワーアップしたいという方向はあるでしょうが、ユーザーの希望としてサイズ感を大事にする声が強いようですね。「パワーアップしても胸ポケットに収まるくらいのサイズには収めてほしい」と。Advanced/W-ZERO3[es]はワイドVGAの解像度なので、あの小ささでもWebが見られる点が強みです。しかし、さらに小型化してほしい、というニーズは少なからずあるでしょう。バッテリーは大型で長持もちするのがうれしいので、その点は矛盾していますが。 :PHSは「連続通話が、できるだけ長もちする」というのが理想ですからね。
横井:そういったニーズに対してはできるだけ対応していきたいと思っています。ただ、メーカーとして「小型化」「バッテリー長もち」という希望を実現するためには、CPUの進化も必要ですが、OSも処理の軽量化・高速化などの方向で進化する必要があります。 遠藤:ちょっと話は変わりますが、アスキーには、ZAURUSユーザーが意外に多いんですよ。客先などでのちょっとした待ち時間に予定やアドレスを整理したりしていじったりする。ニンテンドーDSみたいな心の隙間を埋めるツールなんでしょうね。スタイラスペンで画面をつついて操作する、という使い方では、ZAURUSの画面サイズが丁度よかった。それがAdvanced/W-ZERO3[es]だと「メールを今のうちに返信しておこうか」なんて思ってしまうので仕事をしちゃう。端末のサイズによって使い方が変わってくるんです。 W-ZERO3のこれから遠藤:W-ZERO3以来、日本のスマートフォン市場の伸びはどうなっているのでしょうか。確実に伸びているとは思いますが。 横井:W-ZERO3が登場して以来、ウィルコム以外のキャリアやメーカーも参入し、スマートフォン市場は確実に拡大しています。今後も注目される市場になってきていると認識しています。 :アメリカではGoogleがGPhoneを展開していますし、新しい試みも含めて市場は世界的に成長していると思います。 遠藤:W-ZERO3のメーカーとして今後の意気込みを教えて下さい。 横井:初代のスタイル(WS003SH/WS004SH)、W-ZERO3[es](WS007SH)、Advanced/W-ZERO3[es](WS011SH)と実質3代にわたって付き合ってくれているユーザーもいますから、「次」への期待はもちろん感じています。それに応えるべく「進化感」というのをまた出していかないといけないですね。何をどうする、とは現段階では申し上げられないのですが。 :W-ZERO3はどんな人が使っているのですか? 横井:やはり20代から30代のビジネスマンが中心です。当初は男性比率が圧倒的に多かったのですが、徐々に女性のユーザーも増え、街中でも女性ユーザーを見かけるようになりました。パソコンを持っていない女性が意外に興味を持っていたりするんですよ。パソコンのサイトが見られるとわかったので、プライベートで使えないか検討するみたいです。もちろん、大半はビジネス目的ですが。「取り出すだけで仕事ができそうに見える」っていうのが大きいかもしれません(笑)。 遠藤:出先でテキストを打つ用事ができた場合など、携帯電話に比べれば入力スピードは段違いですからね。 横井:「ですます」がきちんとした文章を書こうと思うと、キーボードでしっかり打つというのが大事になってきますから。 遠藤:「情報は発信した人の所にしか集まらない」ともよくいいますし、メールを即座に出せる体制を持っているというのは、これからますます大事になっていくでしょう。そういう意味でスマートフォンの重要性はこれから一段と高まっていくことは間違いなさそうですね。
携帯端末のこれから遠藤:もう少し話を広げて、モバイル系のコンピュータがこれからやってくれることは何だろう、と考えるといかがですか? 私は「やっぱりコネクティビティの進化かな」と思います。それもユーザーがネット接続を意識しなくても接続を保証してくれているような。もちろん定額制で利用できることが前提です。 :端末とパソコンとのデータのやりとりで一例を挙げると、携帯電話で撮影した写真を別のマシンで利用するときは確かに面倒ですね。例えば、写真のデータは常に一箇所で管理されていて、どの端末でもエイリアスが画面に表示されていて、自由に元データにアクセスできるようなかたちのほうが使いやすいのかもしれません。サーバー/クライアントという関係で個人ユーザーがパソコンや端末を使う場合、どんな使用スタイルがベストなのかは、当社でも研究しています。 遠藤:W-ZERO3で写真を撮ったら、意識しなくてもデータがサーバーに転送されていると便利ですよね。 :定額制だとそれが可能だと思います。 遠藤:いうなれば、「自分のデータを抽象化する」ということですね。端末からは自在にデータを利用できるが、手元に実データが存在するわけではない。 :今は「マイネットワーク」という言葉は、複数のパソコンが異なるデータを保存して総体として機能するような状態を連想させます。これが1台のパソコンにすべてが保存されていて、端末があればいつでも好きなデータを取り出せるような状態が当たり前になると、パソコンとスマートフォンの使い方もハッキリ決まってくると思います。
遠藤:イメージとしては、「パソコンは1台、ほかの端末はすべてパソコンの出っ張った部分」という感じですね。 :ええ。携帯電話でダウンロードした曲は、パソコンでも再生したいと思うのが普通でしょう。今までコンテンツを提供していた会社は、「うちでダウンロードしたコンテンツはうちの端末で再生して」というビジネスでしたが、今後は変わってくるかもしれません。 横井:ネットワークには家電も含めていけますね。冷蔵庫、お風呂、蛍光灯、クーラーなどすべてにマーベルのCPUが搭載されて、端末から管理できるようになるとか。 遠藤:そうした家電のインターフェースがW-ZERO3的になる可能性はありますね。操作はもちろん、家の様子がビューアからわかったり。 :業界の中に少しずつそうした動きはでているとは思います。ネットワークの発達によってさまざまな機器が自在につながるようになれば、当社のようなCPUメーカーにしかできない役割を果たすことで、端末開発に貢献していけると思います。 4回にわたって掲載してきたシリーズ「W-ZERO3の心臓部「CPU」のヒ・ミ・ツ」は以上となる。ますます活況を呈するスマートフォン市場の成長を最前線で楽しむために、今回の記事が少しでも参考になれば幸いだ。<敬称略>
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posted by staff
on 2008/04/04 16:13
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