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ライター陣が本音で評価! アドバンスト・エスは買い? ウィルコムに今後何を期待する?/座談会 - 前編

座談会 - 前編

今月19日に発売開始となるAdvanced/W-ZERO3 [es](以下、「アドバンスト・エス」)について、本サイトライター陣で座談会による意見交換を行ったので、その模様を前後編にわたって紹介しよう。予定したテーマはアドバンスト・エスの部分的・総合的な評価とウィルコムへの提言。アスキーの編集部にmemn0ck氏が試作機を持参して座談会がスタートするはずだったが……。

参加者: kzou、tantan、みのたん、memn0ck(メンバーのうち、tantan氏は女性ライター)

―来ないですね、アドバンスト・エス……。

(本体の到着を待つ一同)

memn0ck: ……すみませーん。
tantan: あー、来た。

(と、予定より15分ほど遅れてmemn0ck氏登場)

kzou: じゃあ、早速分解しましょうか。今日はトルクスドライバーも持ってきてるんで(笑)。

―ちょっ、困ります!(笑)

(こうして座談会が無事スタート。ライター陣では初めて実機を触るtantan氏が、早速電源を入れてあれこれと操作する)

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画面の美しさとキーボードの打ちやすさは好評

tantan: 画面表示がすごくきれい。これは感動ですね。W-ZERO3[es]よりは断然いいですよ。

みのたん: これだけでも「買い!」みたいな。

memn0ck: シャープのAQUOS携帯電話で一番新しい「SoftBank 912SH」っていう機種と同じ液晶パネルを使っているんです。だから画面のサイズもそれと同じになっていますよ。

tantan: このToday画面で小さな写真がちかちか変わるのは?

memn0ck: それがW+Info。ニュースは1行ずついくつか表示できるので、各ニュースに関連した画像がコマ送りで表示されているんです。

みのたん: ニュースのデータは全部ダウンロードしているんでしたっけ?

memn0ck: プッシュ配信ですね。

kzou: そのおかげで、ニュースを選択すると画面が切り替わってすぐにその内容が表示できる。表示は結構早いですよね。

memn0ck: データの配信には、どうやらライトメールの仕組みを利用しているみたいです。アドバンスト・エスで記事を書いた際に、自分のW-SIMを装着してW+Infoに登録、動作確認をしたのですが、その後、別のW-ZERO3にそのW-SIMを差して使っていたら、変なライトメールがいっぱい来るようになっちゃいましたから。

みのたん: W+Infoに対応していない機種で専用のライトメールを受け取ると、おかしな表示になるってわけですね。

tantan: (画面を見ながら)刻々とニュースは変わっていて、面白いですね。

kzou: このサイトで開催したソフトウェアコンテストには、Today画面にRSSリーダー機能を追加するソフト(「RssToday」)がエントリされていたのですが、このアイデアはウィルコムのW-ZERO3開発技術者にもなかなかの好評でした。「ウィルコムで標準搭載するように作者と交渉しては?」などと提言もしていたんですが、それに近い機能になったのかもしれませんね。
逆に、W+Infoを搭載したために、ランチャーだった「ホームメニュー」がなくなっちゃいましたけど。

みのたん: 画面は、W-ZERO3[es]よりも縦長になったおかげで、見通しがよくなりましたね。

tantan: Today画面に、いっぱい情報を表示できそう。ただ、画面はもっとフラットだったとよかったな。

memn0ck: 液晶画面の枠の部分のことですか。確かに、携帯電話では、画面と枠に段差がないのが普通ですね。

tantan: ここにゴミが溜まりやすくて、気になりませんか?

memn0ck: その辺がまだ、携帯電話というよりPDAって感じでしょうか。

―キーボードの使い心地はどうでしょう。

みのたん: うん、悪くないんじゃないでしょうか。特に気になる点は見あたらないような。数字キーがなくなっちゃったのは、フルキーボードを多用する人には不便かもしれませんが、スリム化したいという意図の表れとしては、ありでしょう。

kzou: 打ち心地はW-ZERO3[es]よりよくなりましたよね。個々のキーの幅はほとんど変わらないのですが、キーピッチが広がっているので押しやすくなったし、クリック感もあります。

tantan: (キーボードを試しながら)確かに、打ちやすくなってる。

memn0ck: キーボードの使いやすさは、それこそtantanさんのような手の小さい女性をターゲットにして追求したみたいです。

tantan: 横幅の寸法が小さくなったおかげで持ちやすくなっているのも、その一環なのかな。私はとりわけ手が小さいほうなので。

kzou: 縦持ちでも、持ちやすいってことですね。私も試作機で記事を書かせてもらったとき、試しに1時間くらい電話で話してみたりしたんですけど、固定電話の受話器のような感覚で違和感なく握っていることができました。W-ZERO3[es]よりも横幅が狭くなったとはいえ、その差は6mmですから「たいしたことないな」と思っていたのですが、実際に使うと数字の変化から感じられる印象よりも、持ちやすくなっていると思います。

tantan: 筐体が細長くてちょっとバランスが気になりますが、テンキーはなくさないでくれてうれしいです。片手で荷物持ったまま、別の手で片手打ちができるっていうのは、私にはありがたいので。

kzou: 重量バランスでいうと、縦持ちの場合、キーが下に集中している一方で筐体は細長くなっているので、若干、頭でっかちのところはあるかな。重心がもっと下の方にあると持ちやすいと思う。

memn0ck: 思ったよりはいい感じだとは思いましたけど。見た感じ、もっとすごく悪いかな、と思ってました(笑)。

kzou: うん、思ったよりは悪くなかったけどね。

tantan: 私の手でも「OK」ボタンとスタートボタンに親指が楽に届くので、その点は使いやすいと思います。液晶画面の上辺とデバイスの上端の幅がちょっと広いので、ここをもうちょっと狭くできれば見た目はなおよし、って感じ。

memn0ck: 確かに。携帯電話ならそこがもっと狭いと思います。

みのたん: まあ、ぎりぎり許容範囲でしょうか。

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自由に使える内蔵メモリの容量には若干の不安あり!?

―ソフト的な部分での感想はいかがですか?

tantan: 辞書(「DicLand」)が付属しているのはうれしいですが、内蔵メモリを結構占めてしまうのは、もったいないですね。
外部カードにも移せるといいんですけれど、ウィルコム公式の方法でできるんでしたっけ。それとも、裏技になります? ネットで「辞書を外部カードに移したい」っていうニーズは見かけたので、ちょっと気になりました。

memn0ck: 移せると思いますよ。ただし、ウィルコムが公式に「できます」とは言わないんじゃないかな。著作権のからみもありますし。方法としてはおそらく、辞書データの保存場所をカードに移して、レジストリで辞書ソフトがデータを参照しに行く先を変更するといった主旨になるでしょう。

tantan: なるほど。それは一般ユーザーには裏技的ですね。辞書を手軽に外部カードに移せないとなると、結構内蔵メモリを使っちゃうので不便かも……。

kzou: いや、DicLandはCD-ROM提供で、プリインストールではなかったと思います。もし本当にそうなら、microSDカードを挿入した状態でインストールすれば、インストール先を外部カード内に指定できるので、本体メモリを消費せずに済みますね。

memn0ck: でもまあ、内蔵メモリへのインストールが推奨なんだと思います。仮にプリインストールだとしても、アプリケーションとして単純にインストールしてあるだけのことなので、不要なら削除は可能でしょう。

tantan: 「いろいろソフトが入っているせいで、自由に使えるユーザーメモリが少ないんじゃないか?」っていう意見もネットで見かけまして。できるかぎり外部カードに保存して使えるソフトやデータは出しておきたいですよね。

kzou: DicLand入れない、っていう使い方も考えられますね(笑)。

―購入時の状態だとユーザーが自由に使えるメモリ容量が少ないっていうのは、提供側の意図として「外部メモリも積極的に使ってほしい」ということなんでしょうか。

kzou: いえ、そもそもメーカーさんの姿勢としては、「ほかのアプリケーションはインストールしないでほしい」が基本ですから……。正確に言うと、「ほかのソフトをインストールしても構わないけれど、それで何かトラブルがあってもこちらはサポートできませんよ」というスタンスですね。

―でもスマートフォンなんですから、自分で機能を追加したいのが当たり前ですよね。「ソフトを入れないで」では、Windows Mobileとしての意味がないのでは……。

memn0ck: その辺は「自己責任」ってことですね。

kzou: そう。アプリ入れるのも、動作が重たくなるのも自己責任。基本的には「何か困ったことがあったら、初期化してくださいね」がメーカーさんのスタンスですから。

―「通信速度が速くなった」という指摘がありますが、動作自体は速くなった印象ありますか?

memn0ck: CPUのクロック周波数は、W-ZERO3[es]では416MHzだったのが、今回、520MHzに上がっていますね。OSもバージョンが上がっていますし。一応、最適化されているので、動作は全体的に軽くなっているようです。

kzou: 確かに、軽くなって安定はしていますね。メニューバーやタイトルバー、アイコンなどが3D表現になってグラフィカルになった割には動作が重くなったという印象はないと思います。

memn0ck: 画面の解像度も上がっていますから、処理自体は重くなっているはずですが、そんなに気にならないですよね。W-ZERO3[es]のVGA画面(480×640)からアドバンスト・エスのワイドVGA(480×800)になると、ドット数は単純に1.25倍ですから、必要な処理はかなり増えているはずなんですけれど。

kzou: つまり、画面の表現力アップとCPUの高速化が相殺されているので、動作の軽快さが損なわれることはない、という結論ですね。

みのたん: シャープ、がんばってますね。

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W-ZERO3にフルキーボードは必要か?

tantan: 私は、サイズやデザインだけを見ても、W-ZERO3[es]から買い換えてもいいな、と思いますが、皆さんはどうですか?

―確かに、アドバンスト・エスを見た後でW-ZERO3[es]を見ると、後者はかなりぼってりしているようには見えますね。

みのたん: そういう意味では、ここにきてやっと電話っぽい形になったって言えるのかな。男性ならズボンのポケットにも入れておけそうだし。これまでの機種は、どう見ても「電話」と呼ぶにはつらかった(笑)。

tantan: 私も「これは電話なんだ」って言い聞かせてW-ZERO3[es]を使ってました(笑)。でも、アドバンスト・エスなら、「電話だ」って素直に言えそう。

memn0ck: WS003SHからの変遷を振り返ると、「ずいぶんよくなったなぁ」と思います。

みのたん: 私もW-ZERO3[es]は持っていますが、誤解を恐れず言うと、これを携帯電話とはまだ認めていないんですよ。だから携帯電話には京ぽん2(京セラ製「WX310K」)を使ってるんです。
本音を言えば、京ぽんサイズでWindows Mobile搭載デバイスがほしい。フルキーボードはなくてもいいし、「今の京ぽんよりも薄くして」とか贅沢は言いませんから。

kzou: 僕も去年からずっと、「京ぽんのWindows Mobile版を出してくれ」ってウィルコムの技術責任者には直訴してますよ(笑)。

―早々と提言がでました。通話を自然にできる筐体サイズ・デザインで、Windows Mobile搭載ということですね。

kzou: そうそう。

みのたん: 今の若い人って、別にフルキーボードはいらないんじゃないですか?

一同: いらないでしょうね。

みのたん: 一昔前は「テンキーで日本語入力」なんて不便で考えられないと思ってましたけど、今は誰でもやっちゃってますからね。変換辞書がすごく賢くなって、入力のロスがずいぶん少なくなった。進化しましたよね。

kzou: 推測変換のおかげで、何度か文章を打っていると、簡単なメールとか、ある程度のものは打てちゃいますし。

―W-ZERO3にもフルキーボードはもういらないってことですか?

みのたん: ウィルコムとしては英断かもしれませんが、私はそんなW-ZERO3もありだと思います。

memn0ck: あるいは搭載するなら、横スライドキーボードではなく、Treoみたいに、今のテンキーの位置にフルキーボードを搭載することも考えられますね。

kzou: TreoとかBlackBerryとか、ソフトバンクのX02HTとか、あんなやつね。

memn0ck: ええ。日本語だけ入力するならテンキーだけでも結構いけるんですけど、英文字の入力が混ざってくると急にまどろっこしくなりますから。文字入力デバイスとして使うのであれば、やっぱりフルキーボードは使えた方がいいのかな、とも思いますし。

みのたん: 文字の種類は多くても、逆に日本語の方がテンキー入力には向いているのかもしれませんね。50音から入力するからやさしい方法で、大人も子供も関係ないですし。

memn0ck: もしくは外付けキーボードっていうのはどうですか? Bluetooth接続の折りたたみキーボードとか。

kzou: えー、持って歩くのやだ(笑)。

memn0ck: 今の僕の一番の理想はそれなんですけど。デバイス自体にはテンキーだけが搭載されていれば十分、っていう。

kzou: 必要な時だけキーボードを使うっていうことね。

みのたん: 私も実はそうなんですよ。デバイスにはテンキーだけでいいと思います。私がW-ZERO3みたいなマシンを持ち歩いているのは、W-ZERO3にデータを保存してから移動して、職場や家庭にある別のパソコンでそのデータにアクセスしたい要望があるからなんです。

memn0ck: そうそう! だから、W-ZERO3が大容量のストレージを追加してくれて、職場から必要なデータを持ち帰ったら、クレードルにガシャッと差すと自宅のパソコンにもそのデータを移せる、みたいな使い方ができるとうれしい。

kzou: なるほど、デバイス自体は「通信機能があるデータビューア」みたいな位置づけか。「まあ、テンキーくらいはあったほうが助かる場合もあるだろう」くらいの。

memn0ck: で、外で本当に長文を書く必要が生じた場合は、外付けのBluetoothキーボードなんかを使うわけです。基本的にデータの編集はパソコンで行う。
イメージに一番近いのはソフトバンクの705NKとかになるのかな。あれは、DOC/XLS/PPTファイルが表示できて、パソコンとUSB接続すれば、データを交換したり、Outlookなどを同期したりできますから。

kzou: そうなると、動画ビューアくらいの大きさでもいいって感じだね。

memn0ck: 個人的には、テンキーを縦スライドで収納するスタイルにして、もっと小型化しても問題ないですよ。

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アドバンスト・エスは“買い”か?

―ずばり、アドバンスト・エスは、買って得するデバイスと言えそうですか?

みのたん: この十字キー(Xcrawl)はいいですよね。友人で、これだけが気になって買い換えようか悩んでいる人がいました。

kzou: W-ZERO3[es]を持っている人が買い換えるという選択肢は、十分ありだと思いますよ。僕は各所でもよくそう発言してるんですけど。

memn0ck: 「W-ZERO3[es]の進化型」という方向性がブレずに実現していますからね。逆にWS003SHのスタイルが気に入っている人には向いていないかもしれませんが。

kzou: そうね。WS003SHのように大きな画面が好きな人にはおすすめできないかも。

みのたん: そういう意味では、アドバンスト・エスとWS003SH/WS004SHとは、対象ユーザーがまったく違いますね。

kzou: どうしても「画面が大きい方がいい」っていう人はいますから。「どうせ鞄の中に入れちゃうから」というのもあって、多少のサイズダウンにはあまり魅力を感じないんですよね。
逆に、もともと「片手で持って使いたい」という希望があって、「デバイスは小さい方がいい」と思う人になら、アドバンスト・エスはおすすめかな。W-ZERO3[es]のコンセプトにすごく納得して使い込んでいる人は、はっきり言って買い換えちゃったほうが、満足度が上がるような気がします。

みのたん: 「W-ZERO3[es]が気に入っている人は、買い換えだ」と。ちなみに我々はとりあえずみんな買うってことでいいんですか?

kzou: 予約しました。

tantan: しました。

みのたん: 私はまだだな。でも買うだろうけど。

memn0ck: なんか、義務っぽいですね(笑)。

と、ここでアドバンスト・エスの評価については一応決着をみたライター陣。座談会の後半では、アドバンスト・エスがW-ZERO3のユーザー層を拡大する可能性や、これからのウィルコムに期待したいことなどをテーマに、話題が広がった。この内容は近日公開の後編にて報告する予定だ。

This article posted by staff on 2007/07/11 16:19

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