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発表会場で触れたW-ZERO3[es]/ ファーストインプレッション

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昨日のW-ZERO3[es]発表会に訪れた人々には、驚きと賞賛をもって迎えられたW-ZERO3[es]だが、実際にマシンに触れた感想はどうだろうか。本サイト執筆陣を代表して山田道夫氏の報告を紹介しよう。

W-ZERO3 [es]の衝撃

W-ZERO3で、日本の携帯電話にも新たな1ページが開かれたことは間違いない。だが、スマートフォンの嗜好も結構みんな違っている。初代W-ZERO3は、非常に優れたスマートフォンではあるが、携帯電話として、特に電話として使うにはやや大きすぎるという理由で契約しなかった人も多いんじゃないかと思う。また、携帯電話として利用するためには、データ通信中に着信できないという、人によっては致命的といってもいい「仕様」もあった。これでは、メールやWebブラウズをメインとして使うならともかく、携帯電話としての利用はかなり限られたユーザーしか快適には行えないのではないかと思う。また、価格もPDAやスマートフォンとしては破格の3万9800円前後という販売価格(新規契約など)だが、それもインセンティブによる販売方式に慣れ、今時の携帯電話・PHSの価格に慣れてしまったユーザーからすると高く感じられたかもしれない。


そういった不満をすべて解消してくれるのがW-ZERO3 [es]だ。筐体の高さこそ初代W-ZERO3以上となってしまったが(初代はW-ZERO3は130mm、W-ZERO3[es]は135mmと5mm大きい)、幅、厚みがかなり小さくなり(初代:70×26mm、[es]:56×21mm)、より携帯電話らしい形態になった。重量も約220gから約175gと大幅に軽量化されている。スライド式のQWERTYキーボードだけではなく、テンキーも搭載しているので、混んだ電車の中でつり革につかまったまま片手でいじったりすることも簡単だ。

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携帯電話スタイルで電話しても違和感はない。

QWERTYキーボードの入力はあいかわらずしやすい。ただし、ディスプレイが右に寄っているのは違和感がある。

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従来のW-ZERO3とW-ZERO3 [es]では大きさはかなり異なった印象になる。

液晶ディスプレイは、同じ640×480ドットという解像度ながらこんなにも異なっている。

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W-ZERO3 [es]はなかなかかっこいいデザインとなった。スクウェアな感じには好き嫌いがあるかもしれない。

もちろん、データ通信中に電話の着信やメールの着信も可能になった(設定による。着信した場合は、元々行っていたデータ通信は停止される)。価格も、液晶が小さくなったこと、無線LANを搭載しなかったことなどの影響か、前モデルよりもかなり安く新規で2万9800円となっている。


さらに、USBホスト機能を搭載したので、キーボードやメモリカード、カードアダプタなどを接続できる。それだけではなくBluetoothアダプタもつなぐことができるので、さらに広がりのある世界が待ちかまえている。もしかしたら、GPSやヘッドセットも利用できるかもしれない。

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本体側面のminiUSBのコネクタ。USBホスト機能として利用可能。

USBホスト機能でキーボードなどが簡単に利用可能になった。

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ワンセグも周辺機器として発売が予定されている。

miniUSBコネクタに接続するタイプの無線LANの試作機。

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モバイルプリンタも対応予定。

実際に発表会場で行われていたW-ZERO3 [es]を使ったプレゼンテーションと同様のシステム。

また、液晶が小さくなったことの影響か、バッテリ駆動時間も大幅に増えている。もちろん、W-ZERO3は携帯電話などに比べてはるかにさまざまなことが可能なので日常的な利用が増えて、バッテリが持たなくなる可能性もあるけれど。


ATOKの採用もポイントが高いだろう。MS-IMEもとくに日本語入力プログラムとして不満があるわけではないが、携帯電話の多くの機種のように予測変換が可能なわけではないので、必ずしもW-ZERO3に向いた日本語入力プログラムではなかったと思う。それが、ATOKとその予測変換APOTを搭載したおかげで非常に快適な入力が可能となった。QWERTYキーボードを利用している場合だけではなく、携帯スタイルで入力する場合でも、現状の携帯電話程度のそれなりの入力が可能となった。

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ATOK搭載もうれしい機能だ。

細かな使い勝手も向上している。たとえば、W-ZERO3 [es]では、ハードウェアロックキーがある。従来のW-ZERO3ではソフトウェアキーでいろいろ苦労したり、キーやボタンに何かがぶつかって勝手に画面が立ち上がっていてバッテリが減ったりしたといった苦労が絶えなかったが、W-ZERO3 [es]ではハードウェアのロック機能があるためそういった心配はない。


また、W-SIMの電話帳転送機能が新たに可能になった。専用ツールによって、W-ZERO3 [es]のメモリ内にある連絡先データとW-SIMに記録してあるデータを相互に転送できる。W-SIM対応機種を複数利用するユーザーには便利な機能だろう。


さらに、デジタルカメラ機能も向上している。基本的なカタログスペックは従来のW-ZERO3からさほど変化はないが、実際の画質は大幅に向上した。さらにマクロも搭載しているのでちょっとした物撮りなどにもこれ1台でなんとかなる。blogの更新などでもデジタルカメラを使うことなく、とりあえず可能になったといえる。また、マクロを搭載したことでQRコードを読み取ることも可能になった。

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デジタルカメラにはマクロが付属した。かなりデジタルカメラは機能向上しているようだ。

さらに、従来のW-ZERO3ではバッテリが持たないことで有名だった。だが逆に言えばこれだけ大きな液晶で、しかも用途が非常に多かったため、日常的にW-ZERO3を使う機会が多かったということでもある。これまでは、予備バッテリを持ったり、外部バッテリを用意しなければならなかったが、バッテリ駆動時間が待ち受けだけだったら500時間と大幅に伸びたことで、それなりに実用的なバッテリ持ち時間になったかもしれない。もっとも、実際に確認したわけではなくカタログスペックを見ているだけなので、実際の運用した結果についてはまたいずれ報告したいと思う。


ソフトウェアも、従来機種での不満点だったメール機能を改善するために、「W-ZERO3メール」が新たに搭載された。受信したメールの自動振り分けが可能で、さらにパソコンなどで利用しているPOP/SMTPメールのアカウントも追加して利用することができる。

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W-ZERO3メールが新たに搭載された。

メール作成後、「送信」ボタンをタップするとただちに送信される。

Today画面に「実行中のプログラム」という項目の表示が可能となった。これをタップすると「設定→メモリ→タブ」画面が表示され、実行中のプログラムを選択して終了できるようになった。

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Today画面。あらたに「実行中のプログラム」がわかるようになった。

「実行中のプログラム」をタップすると「設定」の「実行プログラム」タブにジャンプする。

また、「ライトメール」を利用するアプリケーションもWS004SHから改良されており、W-ZERO3 [es]でも見やすい2画面の表示が可能となった。 さらに、Opera Mobile 8.6があらかじめROMに内蔵されている。従来機種では、自分でダウンロードしなければいけなかったので、内蔵は素直にありがたいといえる。

W-ZERO3 [es]に感じたいくつかのものたりなさ

もちろん、いいことばかりではない。ちょっと触れたが、W-ZERO3 [es]では液晶が2.8インチと従来機種に比べてかなり小さくなったのに640×480ドットの液晶を搭載しているので、かなり文字は小さくなった。いわゆるリアルVGA化しようなどという人はほとんどいないのではないかと思う。老眼の筆者にはつらいことも多いはずだ。さらにディスプレイが小さくなったため、右に偏っているのが結構違和感がある。慣れてしまうかもしれないが。


また、携帯電話としては大きめな方なので、まだ大きいと感じるユーザーもいることだろう。願わくは、さらに小さな携帯電話サイズでQWERTYキーボードを搭載したモデルが登場することを期待している。


さらに独自のメールソフトウェア「W-ZERO3メール」を搭載したが、残念なことに「W-ZERO3メール」でもHTMLメールには対応していない。現状では、いやでもHTMLメールを受信する機会がある。まったく読むことができないというのは結構困った問題だ。

試作機を触って感じたこと

短時間ながら試作機を触った印象も以下にざっと書き連ねておこう。

液晶ディスプレイ

2.8インチの液晶ディスプレイは大変美しく明るいが、さすがに小さい。すでに老眼である筆者には正直なところ、ややツライ部分もある。リアルVGAなんてとんでもないって感じだ。とはいっても、縦にしても横にしても十分にキレイで、実用的でもある。文字も読めないということはまったくない。また、縦横の表示の切り替えは非常に高速で小気味よい。もちろん、標準の状態のままであるということもあるが、あきらかに従来のW-ZERO3よりも高速だ。これだったら、縦横の切り替え、メニューの表示でストレスを感じる人はあまりいないだろうと思う。

キーボード

キーボードの左側にリセットボタンがついた。従来機種のようにリセットさせるために、バッテリカバーを開けてといった面倒がないのはいい。 キー配列は、一番上の数字キーが広くなって端に寄っているが初代W-ZERO3とほぼ一緒だ。キー数も同じだ。入力した印象は、キーボードの縦が短くなったので、親指を壁にぶつける時があった。単純に私が旧W-ZERO3に慣れているだけのような気もする。また、従来のW-ZERO3のキーボードに比べて、かなり硬く感じられる。しっかりとクリック感があり、好みの問題だが従来のW-ZERO3よりも押しやすくなったと感じる。

W-SIMの外し方

W-SIMは筐体の上部にあり、とても外しやすくなった。スイッチになっており、取り出しやすくなっている。

スタイラス

スタイラスは、本体に取り出しボタンがあり、それを押して少し飛び出したところを引っ張り出す形となった。スタイラス自体は残念なことに従来のW-ZERO3よりも短くなっている。持ったバランスなどは悪くはないが、それほど重いわけでもなのは、ちょっと残念なところだ。

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スタイラスのEjectボタンがついた。押せば数ミリ飛び出すことになる。

W-ZERO3 [es](上)と従来のW-ZERO3のスタイラス。短くなったのは残念。

各インターフェイスの蓋は金属風のメッキでそれなりにかっこいい。外した状態では、やや取り回しに難ががあるが、特に困るといったこともない。

音質

音質はあいかわらずいい。音は若干大きくなったように感じられた。このあたりはうるさい発表会場での印象なので、勘違いもあるかもしれない。

手にしたときの感触

持ったときに、普通に携帯電話のように軽く片手に収まる点もうれしい。通話が多いユーザーには幅員となるかもしれない。従来のW-ZERO3がつるつるの筐体だったのに比べ、W-ZERO3 [es]は、エンボス加工された手になじみやすく指紋のつきにくい筐体となった。色は黒と白の2色だが、それなりに高級感もある。

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白と黒の2色は、なかなかかっこいい。つい2台ほしくなってしまう?

ユーザーのニーズを吸収している点には好印象

ウィルコムのスマートフォンとしては実質的に2機種目だ。より携帯電話的な運用が可能になり、よりバッテリが持ち、しかし液晶は小さい。


すべての人に向いたモデルではないが、価格が安価なこともあって多くのユーザーが使うことになるモデルだと思う。筆者も個人的に、買い増しか買い換えかW-SIMなしモデルを購入するかはいまだ検討中だが、いずれにしても購入する気になっている。


正直なところ、モックを初めて見た時は結構大きく感じられがっかりしたのだが、実際に動作するモデルを試用する機会があってから、その印象は大きく異なった。非常に快適なのだ。もちろん、何から何までまかなえるというモデルではないし、万人向けでもないと思う。用途によっては従来のW-ZERO3の方が向いているユーザーもいるだろう。


ウィルコムとシャープは、従来機種で不満の多かった部分にきちんと対処したモデルを半年後に投入してきた。まずは、この点を素直に喜びたいと思う。現在の筆者の悩みは、白にするか黒にするかということだ。

This article posted by staff on 2006/07/05 20:52

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