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ケータイ? パソコン? 新しいジャンルを切り開く「Ultra Mobile WILLCOM D4」の可能性を探る
ついにウィルコムから新しいシャープ製UMPC「Ultra Mobile WILLCOM D4」(以下、WILLCOM D4)が発表された。製品の概要や発表会の内容についてはすでに「ウィルコム、小型のUMPC『WILLCOM D4』発表」にて紹介しているので参照してほしい。ここでは、発表会で言及されたスライドや展示の試作機に触れながら、機能やスペックからWILLCOM D4がどういった製品なのかを解説していこう。 スマートフォンのさらに先の新しいデバイスの可能性を求めてWILLCOM D4をひとくちに説明すると「すごく小さなパソコン」だ。これまでもウィルコムは「W-ZERO3」シリーズをパソコンとケータイの間の第3のコミュニケーションツールとして発表し、現在では、そのジャンルは“スマートフォン”と呼ばれて日本でも着実に定着してきた。そんなW-ZERO3を開発したウィルコム、シャープ、マイクロソフト、インテルといった4社がさらなる先の新しいデバイスとしてパソコン、スマートフォン、ケータイに続き、パソコンとスマートフォンの間を埋める第4のデバイス(Device)として発表したのがWILLCOM D4なのだ。その名称も第4のデバイスという意味から、“D4”と名付けられている。 パソコンからの流れ
デスクトップPC、ノートブックPCの延長として、さらに小型のUMPCというジャンルのデバイスが生まれた。 ケータイからの流れ
それに対し、ケータイ/通信カード(Phone / Data Card)→スマートフォン(SmartPhone)という高機能・多機能化の流れの延長上にもUMPCは位置する。 このジャンルのデバイスは、ここ1~2年で世界的に盛り上がってきている製品カテゴリであり、超小型パソコン「UMPC(Ultra Mobile PC)」やネットパソコン「MID(Mobile Internet Device)」といった名称で呼ばれている。その中で、UMPCやMIDに含まれる製品はパソコンメーカーが開発しているパソコン側からのアプローチとなるのに対し、WILLCOM D4は、ウィルコムという通信事業者がケータイやスマートフォンの延長としてパソコン側へアプローチした製品となるのだ。もちろん、実際には、開発を主に担当しているのはメーカーであるシャープで、なおかつ、どちらからアプローチしようと、サイズやスペック、コンセプトは変わらないのだが、多少なりとも思想が異なってくるということだ。 新しいステージへ
パソコンとケータイの間を埋めるデバイスが模索されている。WILLCOM D4はその大きな挑戦の新しい一歩となる。 マイクロソフトの製品カテゴリ
ケータイ/スマートフォンに採用されている「Windows Mobile」とパソコン/UMPCに採用されている「Windows Vista」をネットワーク上の「Windows Live」でつなぐ。 その大きなポイントのひとつが電話機能やプッシュメール機能だ。OSには、Microsoft Windows Vista Home Premium with Service Pack 1を搭載しているので、操作性はまったく通常のVista搭載パソコンと同じだ。64キーだがQWERTY配列のスライド式のフルキーボードも搭載されているので、タッチタイプは難しいがまさにパソコンとして利用できる。そういったパソコンではありながら、標準で通話やプッシュメール(PDXドメインのアドレスで自動受信できるウィルコムメール)、ショートメール(ライトメール)がサポートされているのだ。もちろん、通話などを利用するための通信方式はPHSであり、W-ZERO3シリーズと同様に「W-SIM」により実現されている。サイズ的には過去にも「VAIO type U」や「QOQ」といったUMPCは登場したが、ウィルコムから発売されることにより、電話機能を備えていることに加え、PHSのような広域帯での通信が標準で可能であるという部分が大きな違いとなる。 また、ウィルコムにとっての流れとしては、W-ZERO3シリーズが初代W-ZERO3以降「W-ZERO3[es]」や「Advanced/W-ZERO[es]」というように、よりケータイに近づけた方向進んでいったわけだが、その半面、初代W-ZERO3の後継機種や、よりパソコンに近づけたプロダクトがユーザーニーズとしてあったのだ。それを満たすひとつの結果がこのWILLCOM D4ということになる。 機能的にはパソコンだが、ケータイやスマートフォンの名残りというような部分が電話機能などだけでなく多く見られる。例えば、スペック表(シャープのページはこちら)を見ただけでも外部メモリスロットがmicroSDカードスロットであり、平型イヤホンマイク端子、USB miniAB端子(ホスト&クライアント)、リモートロックといった部分だ。 また、カメラ(有効198万/記録192万画素CMOS)がオートフォーカスに対応していたり、背面についているのもケータイっぽい。これはカメラを搭載したUMPCなどでは、ウェブ会議などを含めたビデオチャットなどが主な目的でカメラを搭載しているのに対して、WILLCOM D4では、ケータイのようにスナップ写真を撮影してブログなどに使うといった利用シーンを想定しているのだろう。できれば、両方を満たすためにカメラが回転して外側にも内側にも向くようになっていたらよかったのかもしれない。 WILLCOM D4 - Desktop Style
WILLCOM D4は、W-ZERO3シリーズと同じ横スライドでフルキーボードが現れるスタイルだが、さらに画面部分がチルドして立てられる。画面に表示されているのが電話ツール。 W-ZERO3からD4へ。パソコンの機能をフルに手に入れた意義は?WILLCOM D4のW-ZERO3との最大の違いは、前者が完全に“パソコン”の機能を手に入れた点だろう。OSがWindows Vistaということで、まだ動作しないアプリケーションなどもあるが、それでも、Windows Mobileに比べれば対応ソフトウェアも多く、制限がはるかに緩く、なによりパワフルに動作する。例えば、Office文書の閲覧・編集機能において、W-ZERO3だと利用できない機能が多くあったが、WILLCOM D4には「Microsoft Office Personal 2007 with Microsoft Office PowerPoint 2007」が搭載されており、デスクトップパソコンとまったく同じ機能が利用できる。ウェブブラウザもいわゆるケータイやスマートフォンのフルブラウザと違い、本当の意味で完全にパソコン向けサイトが表示可能となる。周辺機器の対応のしやすさもフルWindowsのメリットといえるだろう。 逆にデメリットもあり、消費電力が大きいためにバッテリの持ちが悪く、電話機能もマイクがないため本体のみでは通話できず、イヤホンマイクかBluetoothヘッドセットが必要であるなど完全ではない。サイズを考えると通話機能が重視されるデバイスではないが、機能としてある限りはきちんと通話機能を実装していてほしいという気持ちもあるが、スタンバイ時にはEメールは自動受信可能だが、音声通話着信はできず、着信履歴に残るのみという電話としては使いにくい仕様となっているのだ。 以上のことを鑑みると、初代W-ZERO3と比べて多少対象ユーザー層は異なる部分もあるだろう。やはり、WILLCOM D4の対象となるユーザー層は、500gクラスでフルWindowsが利用できる点が必要な人ということになってくる。女性でかばんにノートパソコンは入らないが、WILLCOM D4なら入るから仕事に持ち歩ける、などといったケースだ。きちんとしたキーボードが利用したいなら折りたたみ型のコンパクトなUSBまたはBluetoothなキーボードを持ち歩き、外付けすればいいだろうし、それでもA5やB5サイズの1kg前後のノートパソコンと比べれば、表面積が圧倒的に小さいのでかばんには入りやすい。 また、発表会の質疑応答では、対応ゲームについて質問が出ていたが、サイズとしてゲーム機「PSP」を一回り大きくした程度なので、PSPを持ち歩いている人ならそれほど苦にならないようにも思えた。WILLCOM D4ならPHSによる通信で利用可能なネットワークゲームもポータブルで遊べるといったことも可能になる。新書と同じサイズということで、ブックリーダーにより電子書籍を利用するのにもよさそうだ。このあたりは、コンテンツ次第という部分も大きいように思われる。 WILLCOM D4の画面の様子
画面は電話ツールで、Windows Vistaそのままであることがわかる。画面はさすがに高精細で、文字が小さすぎる場合にはフォントサイズなどの設定を簡単に切り替えられるユーティリティが搭載されていた。 マイコンピュータのプロパティ
OSやCPU、型番などがわかる。パソコンの性能から判断される快適さ「Windows エクスペリエンス」は、基本スコア 1.8、プロセッサ 2.1、メモリ(RAM) 1.8、グラフィックス 2.9、ゲーム用グラフィックス 3.9、プライマリハードディスク 4.2と、グラフィックスが高い意外な結果となっていた。 WILLCOM D4とW-ZERO3のスペック比較表
This article
posted by memn0ck
on 2008/04/16 00:12
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