無限の可能性を手に入れた! USBホスト機能によって広がる拡張性!/W-ZERO3 [es] 最新レビュー -その5(新機能 USB On The Go)
W-ZERO3 [es](WS007SH)では、従来のW-ZERO3とはUSBの仕様が異なり、USB On The Go(以下、USB OTG)というUSBホスト機能が利用できるようになった。USB OTGとはUSB2.0に追加された規格で、パソコンを介さずにUSB機器同士を相互に繋ぐことを可能とする。これにより、W-ZERO3[es]は、標準の状態でもさまざまな機器との接続ができるようになった。ここでは、W-ZERO3[es]に筆者の周りにあったUSB機器を接続した結果を紹介しよう。
まずはUSBホストケーブルを用意しよう
W-ZERO3[es]には、本体左側面にUSBポートがある。このUSBポートに、W-ZERO3[es]に付属するUSBケーブル(USB miniB端子)を挿してパソコンとつなぐと、W-ZERO3[es]はパソコンのクライアントになる。一方、別途販売されるUSBホストケーブル(USB miniA端子)を挿せば、USBホスト機能が働く。これがUSB OTG機能を利用できる状態だ。
USB OTGは、省電力に考えられているため、通信スピードはUSB1.1程度しか確保されていないうえ、デバイス側にドライバがないと使えないこともある。しかし、その場合でも将来的にドライバが提供されればW-ZERO3[es]で動く可能性を持っている。これからが楽しみな拡張性の高い装備として、ぜひ活用していきたいところだ。
USB OTGを利用するには、上記の通り、W-ZERO3[es]で使えるUSBホストケーブルが必要だ。推奨品として販売されるのはアイ・オー・データ社製の「W-ZERO[es]用USBケーブル(USB2-C1)」だ。しかし、入手が難しいという方には、NTTドコモのSigmarionIIIやシャープのZaurus SL-Cシリーズ用としてサードパティーから販売されているケーブルも流用することができる(ただし、メーカーからのサポートはない)。
本ページの検証も、評価機を使ってこれらの互換ケーブルを流用して行った2006年7月25日現在のものなので、製品版で動作を保証するものではない点には注意をして読んでほしい。
■ポケットUSBホストケーブル(pocketgames)
入力機器と外部ストレージは標準で利用できる
W-ZERO3[es]がOS標準のドライバでサポートしているのは、HID(Human Interface Device:キーボード、マウスなどの入力機器)と、マスストレージクラス(USB Mass Storage Class:USB接続で認識する記憶装置の規格)といったところである。
正しい接続方法はまだマニュアルが手元にないので不明だが、試した限りでは、あらかじめ接続したい機器をUSBホストケーブルに繋いだ状態で、W-ZERO3[es]の電源を入れたまま、ケーブルをUSBポートに繋ぐことで認識をした。一方、外すときには、W-ZERO3[es]の電源をいったんオフにしてからUSBホストケーブルを引き抜く手順で行った。W-ZERO3[es]の電源を入れたままUSBケーブルを外すと、リセットすることがしばしば見られたためだ。
標準のドライバで使える機器をつなげてみよう(HID/入力機器編)
HIDとは、キーボード、マウス、ゲームコントローラー、タブレット、テンキーなどの入力機器をつなげることができる規格だ。手持ちのUSBキーボードで接続を試みたところ、問題なく認識することができた。
キー配列は刻印されたものと同じ内容で利用ができたが、ファンクションキーは機種によっては別のキーコードが割り当ててある場合があるので注意が必要だ。
マウスはマウスカーソルが表示されないが、左上の「スタート」メニューや右上の「OK」または「×」ボタンに移動してクリックすると動作することから、認識はしているようだ。
テンキーは数字として認識できず、NumLockをオンにしても、カーソルモードとなってしまい、フォーカスの移動はするが、数字の入力はできなかった。
マスストレージクラスで使える機器をつなげてみよう(その1 メモリ編)
マスストレージクラスに対応しているUSB FlashメモリなどをW-ZERO3[es]につなげてみると、ファイルエクスプローラに「リムーバブル ディスク」として認識され、miniSDカードと同様、W-ZERO3[es]からは外部メモリとして認識された。
メモリカードリーダーも試したところ、若干の相性があるらしく手持ちの機種では認識するものとしないものがあった。
また、USBハブを介してセルフパワーで電力を補ってやることで「USB Flashメモリ+USB メモリカードリーダー」という2つ一緒の接続も、順番に挿してあげれば何とか認識する。
マスストレージクラスで使える機器をつなげてみよう(FDD/HDD編)
さらに調子に乗って、ハブから足りない電源をセルフパワーで補いながらのフロッピーディスクドライブ(FDD)やハードディスクドライブ(HDD)の認識にもチャレンジしてみた(通常の利用シーンでは使うことはないとは思うが)。結果的にはあっけなく接続ができ、大容量の3.5インチHDDまでもドライバなしに認識することができた。
マスストレージクラスで使える機器をつなげてみよう(その2 その他の機器編)
さらにパソコンから外部記憶装置として認識できるMP3プレヤーを繋いでみたら、認識するものがあった。
デジタルカメラとの接続は、パナソニック「FZ-30」でパソコン用接続ケーブルを使ってつないでみると、内部の画像も表示が可能であった。
また、番外編ではあるが「Pocket の手 for W-ZERO3 」や「USD Select for Windows Mobile 5 」といったオンラインソフトを利用して旧W-ZERO3をマスストレージモードにすると、W-ZERO3と装着したminiSDカードを外部メモリとして認識することができる。
さらなる拡張性も秘めたWindows Mobile 5.0に標準のドライバ
Windows Mobile 5.0のOSには、実は標準でさまざまなドライバ類が入っている。本記事で使用しているのが評価機であることと、一部のレジストリを書き換える必要があるなどメーカーが意図していない利用法なのでここでは詳しく書かないが、BluetoothのUSBドングルを簡単に認識してBluetooth経由で音楽を聞いたり、Bluetooth GPSと接続してGPSナビとしてW-ZERO3[es]を使うといったことも可能だった。といっても、Bluetooth機器をつなげるスタックのすべてが使える訳でもないので、こうした利用には自己責任が伴う。こうした検証結果については、自機のW-ZERO3[es]で確認した後、筆者のブログで紹介したいと思うので、興味のある方は参照してほしい。
もちろん、いまのところ標準状態では使用ができないBluethoothドングルなどについても、W-ZERO3[es]に対応した製品が販売されれば、それに付属するドライバやユーティリティソフトとともに使えるようになると思われる。期待して待ちたいところである。